新拠点設計のテーマは『脱工場』ボルボトラックのカスタム架装工場併設・ヨシノ自動車千葉支店

千葉県木更津市にオープンした新拠点は、木材をふんだんに使った外観、モダンな整備工場、ボルボトラックのカスタムに特化した架装工場、緑豊かなオフィスに至るまで、トラック業界のイメージを覆す、斬新なアイデアが詰め込まれた場所だった。ヨシノ自動車の千葉支店を訪ねた。
photo: M .Wakabayashi(ヨシノ自動車)、Gao Nishikawa

木材を贅沢に使ったエクステリア、カラー設計にもこだわった工場、木やグリーンを配したオフィスのインテリアも目をひくヨシノ自動車の千葉支店。

2000年に日本ボルボ(株)と代理店契約を締結、国内屈指のボルボトラック・ディーラーとしての地位を確立。オリジナルブランド『ファストエレファント』の名のもと、車両のカスタムにも注力している。

1959年創業、神奈川県川崎市を拠点に大型トラックの新車・中古車の販売、整備や修理、そしてカスタムを積極的に手掛けているヨシノ自動車。同社が『脱工場』をテーマに、構想から8年をかけて完成させたのが千葉支店だ。

「ここを単なる事業所ではなく、業種・業界を越えて人が集い交流することで“新しい何か”が生まれる場所にしたいと考えています。」と語るのは、ヨシノ自動車の代表取締役社長、中西俊介さん。守りの経営では会社が、ひいては業界全体が衰退してしまう、とても難しい時代になっていると中西さんは言う。

「工場だからこう、オフィスとはこういうもの、という既成概念にとらわれたくなかった。そこでいろいろな分野のスペシャリストに私の考えをお伝えしてご協力いただき、さまざまな機能をあわせもつ複合施設としてオープンすることにしたのです。」

ユニークな外観の建屋には、大規模な一般整備工場と、オリジナルブランド『ファストエレファント』のボルボトラック・カスタムを手がける専用の架装工場を併設。中央のオフィスエリアはフリーアドレスの執務スペース、広い接客スペース、バーカウンターや海を望むバルコニーまである贅沢な空間が広がる。

「同業の皆さんや地域との“共走”を意識して、将来的にカフェのような空間になってもいいと考えています。」“共走”とは10年以上前から同社が掲げている『トラックに関わる、すべての人たちが幸せを感じられる社会にするために、企業や業界の垣根を越えて協力していく。』という企業理念である。

「ここを創業から60年を越えたヨシノ自動車の、次の60年に向けての第一歩、そして新たなアイコンと位置づけて、出会いの場所、新しい価値を生み出す場所にしたいと考えています。」と中西さんは語ってくれた。

高い天井と随所に配置されたグリーンが印象的なオフィスエリア。アート作品が壁面を飾り、フリーアドレスの執務スペース、バーカウンター、寝転んで寛ぐことも可能な休憩スペース、海を望むバルコニーも。こだわりは素材や色彩計画、家具選びにまで及ぶ。設計・デザインは建築家の家所亮次さんの手によるもの。

「千葉支店の役割は、業務としての生産性を上げるだけでなく、お客様やトラック業界全体に対するアピールであり、ヨシノ自動車のブランディングの一環でもあるのです。」と中西さん。

同社が販売するボルボトラックのカスタム専用の架装工場について、ファストエレファントのディレクターである中渡瀬アルフレッドさんに聞いた。

「ファストエレファントの活動をスタートした川崎の鉄工所跡は、広いけれど設備面、環境面でいろいろと課題がある場所でした。」

新工場にはシャーリングやベンダー、アイアンワーカーなど大型の工作機械を多数新規導入。

「冷暖房完備で工場の隅々まで明るい。作業効率もモチベーションもアップして、これまで以上にいい仕事ができる最高の環境が整いました。移転を機に人材面も充実してきたので、カスタム事業もパワーアップさせていきます!」と力強く答えてくれた。

ファストエレファントのカスタム専用の架装工場。設備はもちろん意匠やカラーリングなど、細部のしつらえにまでこだわった。大型車が複数台入庫しても余裕を感じさせる圧巻の規模を誇る。

自らが中心になってカスタマイズを施したボルボトラックと中渡瀬さん。WILD SPIRITをテーマにカスタムした“ABEL 4”は、お披露目したジャパントラックショー2026の会場でも注目を集めた。

ヨシノ自動車
本社:神奈川県川崎市川崎区鋼管通4-1-6
千葉支店:千葉県木更津市潮浜2-1-15
https://www.yoshino-motor.co.jp

ファストエレファント Instagram
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