10月24日から、お台場東京ビッグサイトを中心に一般公開されている東京モーターショー。それに先駆けて昨日会場を取材、マスメディアではあまり紹介されていない(と思う)ユニークなコンテンツをご紹介する。
今回の東京モーターショーは、若い世代やファミリー層へもその存在を積極的にアピール。会期中12日間の来場者数100万人を目標にしているという。これは東京ディズニーランドの来場者数に匹敵するとか。その為に主催者はさまざまな新機軸のコンテンツを用意、既存のモーターショーに対するイメージを拡張した「テーマパーク化」を標榜しているという。その意気込み通り、各自動車メーカーによる新型車や往年の名車、コンセプトカーの披露など従来通りの内容にとどまらない、これまでのモーターショーにはなかった自動車を取り巻く業界の決意、人の思いが伝わってくるとても見ごたえのあるものだった。
会場の模様はすでにWEBやテレビなど様々なメディアで速報されているので、オンザロードマガジンWEBではちょっと趣向を変えて、サブ的な存在ながら実にユニークなコンテンツをご紹介しよう。トヨタ自動車をはじめ、ズバル、ダイハツ、そしてトラックメーカー各社が展示ブースを構える「青海展示棟」にオープンしている『Out of KidZania』がそれ。小学生を対象に、大手企業とコラボレーションしながら職業体験をさせてくれる人気の施設『キッザニア』が、東京モーターショーに合わせて用意した期間限定のブースだ。自動車メーカーと関連企業が自ら体験メニューを用意。そのカリキュラムはもちろんクルマに関わるものばかりで、商品企画、カーデザイン、生産やメンテナンスなどを学ぶことができる本格的なもの。多くのブースが子供用のユニフォームを用意しているところからも、本気ぶりが伝わってくる。
対象は小学1〜6年生だというが、大人も体験したくなるものばかりだ。ここでいくつかをご紹介しよう。
トップの画像はマツダのスタッフが思案の末に作り上げたというコンテンツ。クルマのボディを生産する際に欠かせない金型の製作体験!実際に使われている金型やその製造器具はもちろん、作業台やヘルメット、安全啓蒙の看板に到るまで、広島の工場から持ち込んだというこだわりのブースにも注目だ。
トラックの商品企画が学べるのは日野自動車のブース。顧客のニーズにあわせたトラックを、図表や模型を使って企画するという大人にとってもなかなか高度なカリキュラム。
三菱自動車はカーデザインの基礎を学ぶ体験を提供。様々なタイプの中から、自分が欲しいと思うクルマをデザインする。
自動車メーカーも実際に使用している本物のインダストリアルクレイ(工業デザイン用の粘土)を使って、クルマのスタイリングのノウハウが学べるブース。
ダイハツはコペンの実車を持ち込み、クルマの生産工程を再現。本物のフェンダーやバンパーを車体に取り付け、電動工具を使って組み上げるという体験ができる。
下はスバルのメンテナンス体験ブース。教材はなんと今年のニュルブルクリンクの優勝車!
参加方法など詳しくは、東京モーターショー2019サイト内の『Out of KidZania』特設ページをご覧いただきたい。
https://www.tokyo-motorshow.com/event1/out_of_kidzania/
text: Gao Nishikawa
Photo: Mitsuru Jimbo, Gao Nishikawa