2年に一度、静岡で開催されている国産旧車イベント『ナカヨシホットオールズミート』(以下NHOM)。主催のNHOAメンバーとともにこれまでを振り返り、今年の開催に向けての思いを語ってもらった。
地元の国産旧車愛好家有志が「仲間と愛車を眺めながら楽しい一日を過ごしたい。」という思いでスタートしたNHOMは、県内有数の広さを誇るエコパ=小笠山運動公園の駐車場を借り切って開催、今年10回目を迎える。「初開催は03年。『集まるのはせいぜい100台。メンバーと参加者の愛車を並べ、ビンゴ大会とアワードの発表を行う内容にしよう。』と、簡単に考えていました。」と語るのは主催するNHOAの落合由亘さん(下の写真右)。しかしイベントの当日は雨にも関わらず、190台ものエントリーがあった。「交通整理しながら仲間と連絡をとりたくても、ケータイが繋がらなくて喧嘩ばかり。散々でした。その教訓から、第2回からは無線機を導入しました。」と笑顔で当時をふり返るのは木野知武さん(下の写真左)。もちろん、落合さんも木野さんも熱心な旧車フリークだ。上の写真は、メンバーの岩澤賢二さんのガレージ兼NHOA作戦室の前に集まってくれた面々と、彼らの愛車。
フライヤーの制作が縁で、僕GAOニシカワがNHOMに初参加したのは第3回目。有志での開催とは思えない素晴らしい運営ぶりに驚いたことをよく覚えている。「メンバーが慣れてスムースに運営できるようになったのがちょうど3回目あたりでしたね。」と落合さんは笑った。その後も開催を重ね、NHOMは全国の旧車ファンに周知される存在となり、現在に至る。下は4月16日の日曜日に開催のNHOA2017のフライヤーだ。毎回登場させる車両や、記載内容を吟味して丁寧に仕上げ、メンバーたちの手で配布している。
そんなNHOMが存続の危機に瀕している。エコパの駐車場はイベント会場ではなく、『参加者』と『一般の利用者』の協調が大前提だ。前回、参加者のマナー違反が原因で、一般から苦情が寄せられたという。同じ過ちは許されない状況なのだ。「10回目を迎える今回のテーマは”Keep Smiling, SAVE NHOM!”。イベント参加者と一般の方、当日エコパにいる全ての人が笑顔で過ごせれば、きっといい結果になると信じています。」と木野さんは言った。
text: Gao Nishikawa
03年のスタート当初、NHOAのメンバーは9人、ほとんどが独身だった。この写真は前回2015年開催時。仲間が増え、家族も増え、今はこんなにたくさんのメンバーがいる。「『お父さんばっかり楽しんでる!』と怒られないよう、家族も巻き込んだ結果です。」と落合さんは言うが、奥さま同士、子供同士も仲がよく、他のイベントにない暖かい雰囲気を生み出す要素になっている。
本州の中央付近に位置し、東名高速の掛川ICや袋井ICから至近にある、小笠山運動公園、通称『エコパ』。ワールドカップスタジアムや、メジャーアーティストのライブも開催されるアリーナを擁する、静岡有数の広さを誇る施設だ。この『エコパ』の駐車場で2年に一度開催している『鉄バンパー・昭和の国産旧車』を対象にしたショーイベント、それがNHOMだ。今では500台以上の参加車両、100以上のスワップミート出店もある大規模なものになっている。「NHOMは当初からずっと趣味でやっているイベントです。頂いたエントリーフィーは場所代と必要経費、そして当日夜に開催する我々メンバーの打ち上げ費用で、すべて使い切らせてもらっています。」と木野さん。収益を求めず、純粋に同好の仲間と楽しみたいからやっている。そんな暖かいイベントの火が、いつまでも灯り続けることを祈りたい。
photo&text: Gao Nishikawa
special thanks: Nakayoshi Hot Old’s Association(www.NHOA.jp)