アピオジムニー×オンザロードマガジン 取材日記vol.01 「カントリースタイルのアメリカンガレージ・ワールドへ!」

オンザロードマガジン本誌読者にはすっかりおなじみ、神奈川のプロショップアピオがプロデュースするスズキ・ジムニーJB23ベースのコンプリートカー「アピオジムニー」がこの春、ORM編集部にやってきた。
今回アピオジムニーで訪れたのは、カントリースタイルが特徴的な木製のアメリカンガレージや物置きをキット販売している株式会社グリーンベルだ。

晴天に恵まれた4月のある日、中央高速道路をグリーンベル本社のある諏訪へ向かってアピオジムニーを走らせた。今回の取材班はオンザロードマガジン編集長のGAO、新人のSAKI、そして僕YOICHI。小さな車体に大人三人で悠々という訳にはいかないが、アピオ自慢のサスペンションがしっかりと足回りを支えてくれるお陰もあり、片道180kmの長距離高速走行でもストレスは最小限だ。中央高速道路・諏訪南インターを出て八ヶ岳方面に進むと気圧の変化で耳がキーンとしてくるほど一気に標高が上がるが、アピオジムニーはワインディングをスイスイ軽快に登ってゆく。
やがて現れた看板に従い進んでゆくと、目の前に現れた洋風のカラフルな小屋が建ち並ぶ光景に新人SAKIが「可愛い!」と声を上げた。グリーンベルの本社、工場、そして展示場があるそこは、さながらガレージのテーマパークだ。
私たちを出迎えてくれたのは、グリーンベル代表の西澤英敏さん。アメリカ留学経験をもち、一度は東京のITコンサルタント会社に就職するも独立への思いは強く、4年間のサラリーマン生活を経て有限会社グリーンベル(現・株式会社グリーンベル)を設立した人物だ。
「当初はガレージにこだわりがあった訳ではなく、ただ夢のある商品を扱いたいと思って商材を探していたのです。そんな時、アメリカのホームセンターで売られていたガレージの木製キットが目にとまり、これを売ってみたら面白いと思ったのがキッカケでした」
2003年2月、実家のある長野県からほど近い山梨県内に土地を借り起業した。
「早速、コンテナ1本分のガレージを輸入しました。カンタンな家具を組み立てるくらいのものだろうと軽く考えていたのですが、造りが大雑把で精度も低く、最初の一棟を組み立てるのにとても苦労しました(笑)」
当初は西澤氏自ら施工までを行っていたが、注文が増えるのに応じてキット販売も開始する。しかし、輸入したアメリカ製のキットガレージは日本人の感覚からすれば許しがたいほど製品にばらつきがあり、お客さんからの苦情が相次いでしまったという。
「アメリカのメーカーに品質改善を要求しましたが、文化の違いはもちろん、我々の注文が少ないこともあって要望はなかなか受け入れてもらえない。しかしこの仕事にやり甲斐を感じはじめていたし、後には引きたくない。そこで企画・製造・販売まで一貫して自社で行う事にしました。軽い気持ちで輸入販売を始めたハズが、気付けばメーカーになっていたんです(笑)」

新人SAKIの初出張、何と長野県にでかけるのも初めてだとか。最近まで家族から譲り受けたステップワゴンに乗っていたが、初めて乗るアピオジムニーの見晴らしや取り回しの良さに感動しきりだった。

今回訪ねた株式会社グリーンベル代表の西澤英敏さんは、東京のITコンサルタントを経てキットガレージを製造販売する同社を立ち上げるという希有な経歴の持ち主。愛車のモトグッチV7とともにスナップ。

様々なタイプのキットガレージ、物置をラインナップ。耐候性に優れたハイクオリティーな木製キットはわかり易い組み立て説明書付き。WEBにも丁寧なHOW TOが掲載されており、最低限の工具があれば日曜大工感覚で組み立てが可能。

3年前に本社を現在の場所に移し以前の6倍もの広さを誇る工場も建設、現在販売しているキットは、ここで製造されている。「もっと大きなものが欲しい」「この半分のサイズでいい」「ドアを増設して欲しい」といった顧客からの細かな要望にも可能な限り応えていこうというスタンスも、生産背景を持つ同社ならではのもの。『DNAはアメリカン、クオリティーはジャパニーズ』という製品群は、リーズナブルでありながら高品質で組み立てやすく、デザイン性はもちろん耐久性・安全性も日本人にマッチするもの。このユーザー本意のスタンスが人気を呼び、グリーンベル製のキットガレージは今や確固たるポジションを築いていると言えよう。
「ガレージや物置の基本的な機能を突き詰めると、雨風がしのげる箱であればいい。でもどうせなら家の外観にあわせて、あるいは庭先に設置してもカッコいいのがいい、というお客様は増えている気がするのです。そんな声にお応えして、楽しく夢のあるライフスタイルをおくるためのお手伝いがしたい。そこから派生して、趣味の空間としての大型ガレージも商品化しました」と西澤さんが案内してくれたのは、自身の愛車であるプジョーやモトグッツィを納めてもまだまだスペースに余裕のある素晴らしいガレージ。その横では整備用の本格的なリフトを納めた『愛車をいじるためのガレージ』を製作中だった。
『夢を売る男』、西澤さんの挑戦はまだまだ続きそうだ。
我々取材班もたくさんの元気を頂き、清々しい気持ちで長野を後にしたのだった。

◆株式会社グリーンベル本社・展示場
中央自動車道、諏訪南インター近くにある同社展示場には様々な仕様、サイズのキットガレージ・物置が多数展示されており、見て触れることが可能。耐候性に優れたハイクオリティーな木製キットは様々な用途に対応、まさに使い方はユーザー次第だ。「我々の強みは細かなご要望に素早くお応えでき、しかもリーズナブルな価格でご提供できるということ。日本全国、どこへでも納品可能、特注のご相談も大歓迎です。何でもご相談下さい!」と西澤さん。
長野県諏訪郡富士見町富士見11901-4
TEL:0266-75-2211
定休日:毎週月曜日
※月曜が祝日の場合は翌平日が定休日)
営業時間:10:00~18:00(冬季は17:00まで)
http://www.green-bell.co.jp

グリーンベルの広大なプレカット工場&製品倉庫は、3年前に本社移転にともなって建てられたもの。以前の6倍の面積を誇る。大小さまざまな木製キットはすべてここから生み出されている。

photo: オンザロードマガジン編集部
text: Yoichi Suzuki

special thanks:
株式会社グリーンベル
http://www.green-bell.co.jp

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