『ジムニーのある風景を作る。』ジオラマ作家・奥川泰弘のランドスケープ・クリエーション

ジムニーのカスタムパーツやコンプリートカーで全国的に有名なアピオ株式会社。代表の河野仁さんは多彩な趣味人でミニチュア模型にも造詣が深い。そんな河野さんの依頼で製作したジオラマをご紹介する。

 ある日のこと、ジオラマ作品を持ってアピオ代表の河野仁さんを訪ねた。河野さんは、僕と同じく幼少時代から模型が大好き。いろいろとお話しするうちに「ジムニーの1/43ミニチュアカーを展示するジオラマがあるといいですね。」という流れに。最近モデル化された現行のアピオジムニーもいいけれど、今回は初期型ジムニーに似合う情景を製作することになった。そこでご提案したのが、どこか懐かしい単線の踏切。これは僕自身いつか作ってみたいと思っていた風景だったので、ノリノリで一気に作ってしまった。
 後日完成品をお届けすると、河野さんも大喜び。オープントップのクラシック・ジムニーにはフィギュアを乗せたい、ということでドライバーフィギュアも追加製作。このジオラマは、現在アピオのショールームに展示中だ。

ジオラマサイズは23cm×20cm。足場板を活用したベースで、旧き佳き時代の雰囲気を引き立てる。線路は鉄道模型のOゲージ用。踏切の渡し板は一本ずつ長さを変え、角度をつけて広がりを演出。今回は初夏の設定だが、同じ場面で秋や冬の風景も作ってみたい。

アピオとの次のプロジェクトが進行中!
 ハセガワから昨年の暮れに発売されたジムニーの1/24スケールプラスティックモデル。これを使ってジオラマを作りたいという河野さん。会長の尾上さんも加わり、アピオ創業当時のガレージを再現しようというお話しになった。とはいえ、車体に合わせるとかなり大きなものになってしまう。そこで一部を切り取るカタチで製作することに決定。僕にとって久しぶりのガレージジオラマ、気合いを入れて取り組まねば!

プラスティックモデルや資料写真を前にあれこれ意見を出し合い、ご要望をその場でスケッチ。絵にしてご覧にいれることで、イメージがより具体的になる。踏切よりずっと大きなスケールだが、ギュッと濃縮されたレイアウトにするつもりだ。

Yasu Okugawa(奥川泰弘)

1964年生まれ。情景模型作家、グラフィックデザイナー。
小学生の頃から模型に親しみ、93年頃から各種コンテストでミリタリーの情景作品を発表。96年、イギリスのコンテストで優秀賞を受賞。現在は旧き佳きアメリカの日常などを題材にした作品を製作・発表。多数の作品を掲載しているWebサイトも必見!

http://www.doozymodelworks.com

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