「薪割り機を見に来ませんか。」と声をかけてくれたのは、東京・板橋、オートジャンクション代表の安井一郎さん。
取材当日、目にしたのは小さく真新しい機械。国内で20万円ほどで購入できるという"PLOW Log Splitter"なるシロモノだった。
「最近、雑誌『オールドタイマー』の個人売買ページに農業用発動機などと一緒に出品されていたのです。連絡を取って出かけてみると、出品者はバイク好きのマニアックな方でした。(笑)」
かくして入手したという薪割り機の全長は150センチほど、大人二人で持ち上げられる重さだ。
搭載されるのは米ウィスコンシン州ミルウォーキーのBRIGGS&STRATTON社製エンジン。
空冷単気筒4ストローク、127ccの小さなエンジンながら、資料には『破砕力13トン』のコピーが!
「やってみましょうか。」と安井さんが台車に載せて運んできたのは、直径80センチ、高さ30センチほどの大きな丸太だ。
これをグレードルと呼ばれる2本のオレンジのチューブ上に載せる。
スターターを引くと発電機のような音を響かせてあっけなく目覚めるエンジン。
丸太に手を添え操作ハンドルを半時計回りに倒すと、プッシュプレートが丸太をカッターに押しつけていく。
エンジン音が少し大きくなり、カッターがメリメリと音をたててめり込んでゆく。
丸太は数秒で二つになってフロアに落ちた。
『破砕力13トン』のコピー通り、割るというより破砕という表現が正しい…。
ヴィンテージ4WDなどを整備、レストアしているオートジャンクションでは暖房に薪ストーブを使っているため、全国の知人からいろんな木材を譲り受ける。
今回のような丸太が持ち込まれることも多いのだとか。
「これで薪割りが楽になります。バーベキューにも使えるし、一年中活躍してもらいます。」と新しい"オモチャ"を手に入れてご満悦の安井さんだった。
切り株のような太い丸太を数秒で真っ二つにする。さすが13トンのパワー。
BRIGGS&STRATTON社製、空冷単気筒4ストローク127ccエンジン搭載の"PLOW Log Splitter"を使って、30分ほどで丸太が粉々に!
photo&text: Gao Nishikawa
special thanks: Auto Junction(http://www.autojunction.co.jp)