東京・世田谷 土間式バイクガレージがあるマンション

小田急線千歳船橋駅、経堂駅から徒歩圏内。世田谷区経堂に建つ『石双居(せきそうきょ)』は、都会に暮らすバイクや自転車好き垂涎の、夢の空間を手に入れることができる集合住宅。オーナーの森さん、そして物件を企画したシマダハウスの佐々木さんにお話をうかがった。

 首都圏ではほとんどの賃貸物件にバイク駐輪場がなく、あっても自転車・原付用だったり、実はバイクと暮らすのがとても難しい。ガレージに住みたいとか、バイクと同じ空間で過ごしたいという夢を持っていた僕は、かつて都内の小さな店舗物件を借りてガレージハウスを作って生活していたことがある。土間に寝るわけにいかず、フロアを張ったり、ユニットシャワーを設置したりと、結構な手間と費用がかかったが、バイク好きが羨む空間はちょっとした自慢だった。今回、『石双居』を訪ねて「あの時、こんなマンションがあればよかったのに!」と心から思った。

 2台の大型バイクを所有、奥様や息子さんもバイク乗りだという森さんも、既に出来上がっていたこの場所を訪ねて「自分が住みたい家だ!」と一目惚れ。なんと石双居を一棟まるごと手に入れオーナーになってしまった。「バイクや自転車が大好きで、自分用の趣味の家、部屋が欲しいと思っていたのです。ここは道路から共用の通路を使って一階の土間式ガレージにバイクが収納でき、目の届くところで安全に保管できる。というよりも愛車を眺めながら生活できる、趣味人にとって理想の家なのです。」

 壁や土間のグレー、階段の白、黒いスチールサッシ、そして居住スペースに配された杉板に、大きな窓から差し込む光が作り出す陰影が魅力的。無垢材を多用することにこだわって、シャープでありながら暖かみのある雰囲気も手に入れている。既成の素材をほとんど使わずに作り上げているので、年月を経ても色あせず、むしろ味わいを増してゆく。そんなところも石双居の大きな特徴といえるだろう。

 お邪魔したのは午後から黄昏に向かう、光のうつろいが美しい時間帯。森さんのビモータを通路に停め、僕が撮影をしている後ろで、気づくと森さんも愛車と石双居をライカのファインダーに納めていた。「森さんのようにバイク好きの方も入居されています。」とシマダハウスの佐々木さんからお話を伺っていると、たまたまハーレーに乗った住人が帰宅してきた。その後ろ姿を見送りながら「同じ趣味趣向の方が集まって、共有スペースでBBQパーティーがはじまるような、そんな場所になったらいいですね。」と森さんは嬉しそうに話した。

 土間はバイクガレージとしてはもちろん、仕事場やアトリエなど、多目的スペースとしても重宝するだろう。住む人のクリエイティビティーが発揮できる場所、石双居。なんと現在ここに空室があるそう。気になる読者はチェックしてみることをお薦めする。

text: Gao Nishikawa

<上写真・上段>
今回は石双居の7つある部屋のうち、2フロア構成の物件を拝見。大きな開口の窓から差し込む光や、2階スペースの杉板のフローリングが気持ちいい。階段からは土間に納められた愛車が見える。共用の通路につながる一階玄関には、バイクや自転車なども出し入れしやすい両開きのドアが備わる。

<上写真・下段>
白、グレー、黒とウッドで校正された室内はシンプルそのもの。1階には土間の他、シャワーとトイレ。2階にはコンロ、木製の引き戸でカバーされたエアコンなどを標準装備する。石双居にはこの他にも3フロアやバルコニー付きの部屋もある。

石双居についてのお問い合わせ先:
シマダハウス株式会社
03-6275-1199
www.shimadahouse.co.jp

photo&text: Gao Nishikawa

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