コハラレーシングテクノロジー小原斉氏インタビュー

世界の舞台で活躍、今も二輪ロードレースの舞台裏でトップライダーを支えるメカニックにそのフィロソフィーとスタンスについて伺った。

 マシン、エンジンにとってもっとも過酷な条件が設定されるステージといえばまずモータースポーツが浮かぶ。一般的にクルマよりエンジン回転域が高いモーターサイクルのレースとなればなおさらだ。その頂点であるワールドグランプリの舞台を知るコハラレーシングテクノロジー代表の小原斉氏を訪ね、お話を伺った。トップライダーのメカニックとして世界中を転戦してきた小原氏は、まさにもっとも厳しい闘いのステージを知るメカニックの一人。高い技術に裏打ちされたその実績は、彼が担当してきたライダーたちの名前からもうかがい知ることができる。鈴木淳、エディ・ローソン、ルカ・カダローラ、岡田忠之、マックス・ビアッジ、ジョン・コシンスキー、玉田誠、そして伊藤真一。世界にその名を知られたビッグネームばかりだ。特に1989年からの付き合いだという伊藤真一氏とはプロフェッショナル同士としての共感があり、「世界だけではなく、日本国内にも目を向けなければ」という互いの思いから、コハラレーシングを共に立ち上げたパートナーでもある。そんな小原氏に、レース向けマシンを作り上げていくにあたっての考え方、それに小原氏が愛用するマイクロロン・メタルトリートメントとの出会いから現在までについてお聞きした。
「勝利のためには、このぐらいでいいだろう、などという妥協は一切許しません。出来ることは何でもします。するとそれが結果にもちゃんと現れるのです。これは僕のこれまでの経験が教えてくれたこと。若いメカニックにもそう教えています」温厚なお話しぶりの中にも熱い信念がうかがえるコメントだ。そしてマイクロロンとの出会いは20年前にさかのぼるという。

小原斉氏は1963年生まれ。18才の時に初めて筑波サーキットで二輪レースと出会い衝撃を受ける。友人とレース参戦を重ねる中で、走るよりマシンを作る面白さに開眼。その後レーシングチームカタヤマのメカニックとしてキャリアをスタートした。

レース用エンジンではペースト状のマイクロロン「アセンブリー ルブリカント」筆で直接塗布する作業も行われる。

アンダーカウルに貼られた様々なサポート企業、あるいはプロダクツのステッカーもチームとともにレースを戦っているのだ。

ライダーは操作系の微妙なタッチにも敏感。アクセルワイヤーやシフトのリンクにはこのマイクロロンのプレシジョン オイラーが重宝するという。

「埼玉県川越にあるエンデュランスというレーシングチームで修行していたときにマイクロロンを知りました。使ってみて驚いたのは、エンジンの耐久性が飛躍的に向上した点。以後、レースに真剣に取り組んでいく上で必需品だと思っています。」というだけあってレーシングマシンのメンテナンスに際しては必ずマイクロロンをかたわらにおいているそう。実際にファクトリーで作業の現場を拝見した。

「街乗りの車両に使う場合、マイクロロン処理はエンジンオイルを介して行いますが、レース用マシンに使用する場合はギアの1枚1枚に直接マイクロロンを塗布することもあります」という通り、手間ヒマ惜しむことなくマシンと向き合う。そこまでするのは目標が勝つことにあるからだ。

「レースの現場ではライダーはマシンの状態にとても敏感です。わずかなスロットルの違和感やミッションの渋さも指摘してくる。ガレージだけでなく現場でも、マイクロロンの力も借りながらその対策に全力で取り組むのがメカニックの使命です」

 常に限界状態で戦っているのはマシンやライダーだけではない、高い技術力と強い思いを持ったメカニックやそれをサポートするツールやプロダクツの存在があって、はじめて勝利の女神が微笑んでくれるのだ。

マイクロロンの「メタルトリートメント リキッド」(8oz.6,300円/16oz.10,500円/32oz.18,900円)はエンジン内部の金属摺動部の摩擦・摩耗を低下させ、回転を滑らかにしエンジン騒音も低減。燃料やオイルの消費も軽減する。「ハイテンプ グリース」(14oz.15,750円)は耐水性が高く防錆力に優れ、非常に高い衝撃荷重による摩耗から守る。このページでご紹介している「アセンブリー ルブリカント」は2oz.で8,400円、「プレシジョン オイラー」は0.25ozで3,150円。価格は全て税込み。

special thanks:
■有限会社コハラレーシングテクノロジー
tel: 048-878-7020
http://www.k-racing.co.jp/
■株式会社協和興材
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http://www.maicrolon.co.jp

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