ガレージ作りのプロが手がけた住宅リフォーム

先頃発行した本誌別冊ガレージ特集"IN THE GARAGE"にもご登場、ガレージ作りのプロたちが結集したリフォームプロジェクトをご紹介しよう。

2013年の夏、東京都内で行われた一件のリフォームプロジェクトは、築50年以上の木造家屋の一階部分と道路に面した外観をすべて改装するという、比較的大掛かりなものだ。
1960年代初頭(昭和30年代)に建てられた日本の木造住宅が、レンガを基調にしたアメリカンな外観に大変身!
内装はベースのいいところを生かしつつも、オーナーの希望によりアメリカ製の中古輸入建具や家具などを取り入れ、個性的ながらもクリーンな仕上がりに。
そしてORMが一番注目したのは、その施工・製作をガレージ作りのプロたちが手がけている点だ。
基本的な構造の設計・施工、それにともなう修正や補修、そしてインテリアを手がけたのは地元静岡から東京に遠征した『ダイナオガレージファクトリー』代表の大石氏、玄関の木製ワンオフ・スライドドアの製作は山口県の『ワールドガレージドア』、デザインコンクリートによる外観の仕上げは石川県の『カントリーベース』による。

ベースとなる築50年以上の木造家屋がダイナオ大石氏の手で解体、作り直される。アメリカ製中古建具も、既存の枠にあわせて丁寧に加工、見事なフィット感で組み込まれる。

カントリーベースによるデザインコンクリートの技術は圧巻。薄く塗ったアメリカSto製の専用モルタルに石やレンガのテクスチャーを造形、さらに芸術的な塗装&目地加工でリアルな肌が再現された。ちなみに床面はスタンプコンクリートで石目を再現。一番下のスナップは施工にあたったカントリーベースの皆さん。

グリーンの玄関ドアと横開きのスライド金具はワールドガレージドアによるワンオフ。山口の構作舎が輸入する波板ガラスがアクセントに。カッコわるいチャイムも赤いスチールのケースでカバー。窓に取り付けられたスチールの格子は鉄筋を流用してダイナオ大石氏が手作りしたもの。

明るい玄関はウッドが基調。アメリカ製の中古輸入ドアを流用して下駄箱収納のトビラに。照明はあえて街灯のような壁付けタイプをチョイス。左の明かり取り窓はダイナオによるワンオフ、スイングタイプで通気も確保。ドアなどと同様、構作舎が輸入する波板ガラスがセットされる。

インテリアには、テーマパークなどで使用されているヴィンテージ・スタイルの照明器具やブラス(真鍮)製の金物を採用。
天井は50年前に作られた建物の基礎である梁をあえて露出。そこに130年以上前にアメリカで生まれたHunter社製のシーリングファンを取り付け。
ドアのほとんどは中古の輸入建具をベースにサイズを調整するなどしてセット。腰板など要所要所にベースの住宅の雰囲気を残しつつ、アメリカの輸入資材や古材を組み合わせ、絶妙にバランスさせている。
住宅リフォームの範疇を越えてガレージやホビールーム作りの参考にもなる仕上がりとなっている。

このプロジェクトに参画したのは下記の各社。
いずれもガレージ作りのスペシャリストだから、気になる読者は是非チェックされたし!

■ダイナオガレージファクトリー(0538-55-6655/http://www.dainao.net

■ワールドガレージドア(083-927-6500/http://www.wgd.co.jp

■カントリーベース(076-232-7710/http://www.country-base.com

■アルトピア(アメリカHunterFan輸入販売元/04-7137-7771/http://www.hunter-fan.jp

photo&text: ORM編集部

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