バイク好きが作った月極バイクパーキング、東京・葛飾『ソラーナ東立石』。

「利用しやすくて安心・安全であることはもちろん、利用者同士がバイク仲間としてリアルに交流できる小さなコミュニティができないだろうか。」そんな思いを込めて作られたバイクパーキングがある。仕掛人である堀立幸さんにお話しを伺った。

住宅と町工場が混在する下町風情あふれるロケーション。今年の春、東京・葛飾区にオープンした『バイクパーキング・ソラーナ東立石』に、オーナーの堀立幸さんを訪ねた。
堀さんは整備士をはじめとして長年クルマ関係のお仕事に従事しながら、『趣味はバイク』という人生をおくってきた。若かりし日から、原付をはじめ、小排気量2ストで峠を駆け、オフ車で林道を巡り、V-MAXやZZR、ハーレーなどの大型バイクにも乗った。故郷では、複数のバイクを同時所有、ミニバイクのレースにも夢中になっていたという、まさに筋金入りのバイクフリークなのだ。
上京後もバイク熱が醒めることはなく、所有する愛車は月極パーキングに停めていた。世田谷では屋根のないクルマ用のスペースを借り、テントタイプのカバーを設置してバイクを保管。葛西では100台あまりを収容する大規模なバイクパーキングも利用した。個々のパーキングには一長一短あり、「もっとこんなだったら利用しやすいのに…。」と思うポイントがあったという。
これらの経験をもとに、バイク乗り目線のバイクパーキングをオープンすることを思いつく。会社員を続けながら、大切にしていた一台(ハーレー界の有名ショップが手がけた高価なコンプリートバイク)を手放してまで実行に移すことを決意。やるからには、他に負けない物件の設立を目指した。
「月極バイクパーキングのユーザーの多くは大型バイク、そして輸入車のユーザー。セキュリティについては大いに気を配りつつ、利用者同士のコミュニケーションが生まれるような場所になってくれたら素晴らしと考えました。大勢が利用していた葛西のバイクパーキングでは、気の合う仲間ができて食事やツーリングにも行っていました。僕自身の経験をいいカタチで運営に生かしたいと思い、物件探しの段階からこだわりました。」
セキュリティ、そして何よりもお客様に安心感を提供するために、屋内の駐車スペースが確保でき、かつ住居一体にできる物件を、都内のあらゆる場所で探した。条件は、鉄骨造で一階に広い駐輪スペースが確保できること。気になる物件には必ず足を運び、近隣の雰囲気や治安についても目を光らせた。そして2年をかけて厳選した場所に、今年オープンさせたのが『バイクパーキング・ソラーナ東立石』だ。

もともと町工場だったスペースを賃貸のバイクパーキングに、2階は住居としてリノベーション。3階は賃貸住宅とした。京成立石から歩いて9分、京成四ツ木からは13分と徒歩圏内に駅が2つあるという利便性は、離れた場所に居住するバイク乗りにとっても嬉しいポイントだ。
パーキングとしての機能、設備にも、バイク好きである堀さんならではの心配りが行き届いている。12ある区画ごとに設置されたステンレス製アンカーやスタンドホルダー、コンセント。区画の数だけ用意された専用のロッカー。共用設備としてトイレ、水道、ブロアーや空気入れとして活用できるコンプレッサー、洗車用品なども備える。24時間出入庫可能で、屋内外に防犯カメラを複数設置。もちろん、2階がオーナーの住居である点も大きな安心材料だ。


「自分でも今すぐに利用したいバイクパーキングが出来上がったと思っています。不動産屋さんを通してのお申し込みになりますが、仲介や更新手数料がかからない設定にしました。ここからバイク乗り同士のコミュニケーションが生まれることも楽しみのひとつです。実はネーミングの『ソラーナ』はスペイン語の『陽だまり』が語源。バイク乗りにとって陽だまりのように居心地のいい場所になるようにと、応援してくれている妻が命名してくれたものなんです。」
あまたある月極バイクパーキングのどれとも違う、バイクフリークの堀さんならではのアイデア、そしてご家族の思いもこもった、『ソラーナ東立石』。しかし弱点もあった…。「現状は二足のワラジゆえ広報不足が否めません。」とのこと。そう、まだ空きスペースがあるのだ。我こそはと思う読者は、至急『ソラーナ東立石』でチェックされたし!

「整備の仕事をしていた経験から、床をきれいに、使いやすくしたかったのです。」とオーナーの堀さんが話すように、手間ひまと費用をかけて平滑に仕上げられた美しい仕上がりのフロアも、多くのバイク乗りの心をとらえるに違いない。


洗車スペースも完備。共用のホースリールや洗車用具はもちろん、コンプレッサーまでも用意されているのが嬉しい。

コンセントが各区画分用意され、バッテリー充電器などの接続が可能。コンクリート製のフロアにしっかりと固定されたステンレス製のアンカーも嬉しい設備。


入り口のセンサーライトをはじめ、内外に複数設置されたLED照明付き防犯カメラは、堀さん自身が熟慮の上で位置決めした。

堀立幸さん:岐阜県出身。東京で自動車関係のお仕事に従事する傍ら、ユーザー目線で『バイクパーキング・ソラーナ東立石』を立ち上げた。
「今はバイクがないので、近いうちに自分の一台を手に入れたいと思っています。整備士だった経験を生かして、今後バイクの整備やカスタムを仕事にしたいという夢ももっています。」と自身の未来についても笑顔で語ってくれた。

photo&text: Gao Nishikawa
『バイクパーキング・ソラーナ東立石』の詳しい情報は株式会社オーエム不動産(03-5654-4128)まで。

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