「マイクロロン・ヒストリー」 レーシングカーデザイナー 由良拓也氏 スペシャルインタビュー

レーシングカーデザイナーとして数々のマシンを設計、空力・エアロダイナミクスを味方につけて数々の栄冠を手にしてきた由良拓也氏。静岡県御殿場市にあるムーンクラフトに、日本のデザイン、そしてモータースポーツ界の重鎮である由良拓也氏を訪ね、その舞台裏はもちろん、ご自身の愛車や趣味にまつわるお話し、そして由良氏が長年にわたり絶大な信頼をよせているマイクロロンについて、お話しを伺った。

 かつてテレビCMに『レーシングカーデザイナー』として登場、以来第一線で活躍を続けるムーンクラフト代表の由良拓也氏。10代から道を究め、紫電、紫電改、富士GCレースマシンなど数々の名車を生み出してきた由良氏の真骨頂は、空力デザインだ。鈴鹿サーキットで「燃料1リットルで何キロ走れるか」をテーマに開催されていた『シェル・マイレッジマラソン』にも'81年の初回から参加。空力性能に優れ軽量なオリジナルマシンを製作、50ccベースのエンジンにも工夫を凝らす。
 「フリクション低減の最終手段、潤滑はオイルではなくマイクロロンのみ。これでリッター600キロも走れたんです!」マイクロロンの凄さを実感した。由良氏がマイクロロン・メタルトリートメントに絶大なる信頼をよせ、公私ともに愛用し続けている根拠の一つだ。フォーミュラやGT、ツーリングカーなどの全日本選手権にも自らのチームで参戦する。
 「手作りの高精度なエンジンは潤滑に工夫しても、違いが出にくい。でもトップフォーミュラのエンジンをマイクロロン処理したら、特に高回転域で効果があるというデータがある。凄いことです。」
 '96年、全日本ツーリングカー選手権でチャンピオンを獲得したホンダ・アコードでは、シーケンシャルミッションに入れたマイクロロンが威力を発揮、「ライバルの同じマシンと比べても体感出来るほど違いました!」と当時を振り返る。
 プライベートな愛車のなかでも今だ話題にのぼるのが80年代のアメリカ製、7リッターV8エンジンを搭載するコブラ。「粗雑な作りのキットカーでしたが、出来が悪い方がマイクロロン効果がよくわかる。ピストンやミッションの騒音が明らかに静かになるのが実感できるのですから。」話しは路上から海上へ。

 「釣りのリールは、投げた時の回転数や、巻く際のトルクがすごく高くて過酷なのです。だからメンテナンス時にマイクロロン・アッセンブリールブが活躍します。それから船。水は空気よりずっと抵抗が大きく、常にスロットルを開放していないと失速する。僕のボートに2基積まれているV6、3.5リッターガソリンエンジンは、巡航時4,000回転、最高速時は6,000回転で常に回っている。この過酷さはレーシングカー並みです。海では何かあったら誰も助けてくれないと思っています。安全、安心のため、マイクロロンを使い続けています。ギアのタッチが良くなるし、オイルがあまり汚れないのも嬉しいですね。」
 由良氏の近況で特筆すべきは、ご自身がデザインしたエアロパーツを装着したプリウスでのさまざまなチャレンジだ。
 「空力を意識したシルエットの2代目プリウスで興味をもったのがきっかけ。乗ってみると、ハイブリッドシステムや空力はもちろん、ドライビングテクニックなど様々な要素で燃費が大きく変動することがわかり、これは耐久レースに通じると思ったら面白くて(笑)。」
 '10年10月『エアロプリウス・YURASTYLE』で、速さと燃費を競う『エコカーカップ2010』に参加。市販空力パーツ装着車クラスで優勝。翌11月は由良氏単独で1,000マイル(1,600キロ)無給油走破を達成。また'11年10月、性能チェックを兼ねた燃費チャレンジを敢行。高速道路中心で1,638キロを走破、平均時速70キロ以上で燃費はリッター36.1キロを達成。
 「このチャレンジでもマイクロロンを使っています。エンジン内部の摩擦・摩耗の軽減は、余分な抵抗の軽減に他ならないですから。余談ですが、普段も乗っているこのプリウス、マイクロロンを入れているとオイルが汚れないんです。日常のアシでもあるので、これは助かりますね(笑)。」
 そのかたわらに、これからもマイクロロンはあり続けることだろう。

photo: Mooncraft, ORM編集部
illustration: Gao Nishikawa
text: Gao Nishikawa
special thanks: Mooncraft(http://www.mooncraft.jp
株式会社協和興材(03-3929-8581/http://www.microlon.co.jp

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