SUVのボディ保護、そしてドレスアップにも。『アメリカ軍・政府が認めた特殊塗装 "LINE-X"』

 イベントなどで見かけ気になっていた、ワイルドな質感が魅力の特殊塗装 LINE-X(ライン・エックス)。説明を聞いてみるとドレスアップだけでなく、塗装面の保護効果もあるのだという。アメリカ国防総省・ペンタゴンの建物にも塗られているというLINE-Xの施工現場を訪ね、その実態に迫る!

 自動車関連のイベントやショップなどでその個性的な仕上がりを頻繁に目にするようになったLINE-X。個人的な興味本位で取材を申し込み、お邪魔したのは埼玉にある施工拠点だ。「アメリカでピックアップトラックの荷台保護用塗料として生まれたLINE-Xですが、10年ほど前に日本に輸入された当初は建築・土木用塗料としてで、クルマに施工するようになったのは後からなのです。」とお話し下さったのは“LINE-X Auto Japan”の菅原慎司さん。『アメリカ軍・政府が認めた最強塗装』を謳う通り、耐衝撃性能に優れたLINE-Xの施工実績にはトラックの荷台だけでなく軍用車の車体保護、またペンタゴンを含むアメリカ国防総省や軍の関連施設をはじめ、数々の大型で特殊な建造物も名を連ねている。

写真の100系ランドクルーザーは、バンパーやステップはもちろんグリルやミラー、ドアハンドル、そしてボディまで車両全体にLINE-Xを施工、迫力満点だ。このように、黒だけでなく好みのカラーを指定可能なので、ドレスアップ効果も抜群。
デモンストレーション用に外も中もLINE-Xで塗装された紙コップは、手に取るとガラスコップぐらいの重量感。床に伏せてその上に体重70キロを越える成人男性が乗ってみる。片足立ちしても潰れないのだ!

LINE-Xの組成は、製造が難しいとされている高純度ポリウレアで、塗膜には適度な強度・伸び特性があり、耐衝撃性能に優れているそう。コンクリートや木材の他、金属や樹脂などにも塗装可能、複雑な形状に対しての追従性が高く、素材自体への強力な接着性を有している、塗膜の経年劣化が遅く20年以上もの耐久性をもつなど、クルマ用に相応しい特徴をもっている。「アメリカでは傷や摩耗・錆の防止、滑り止めなどのためにピックアップトラックの荷台用の塗料として、またユニークなテクスチャーをもち、カラーリングが容易なことから、ドレスアップのテクニックとしてもメジャーな存在なのです。日本でも近年トラックやSUVのオーナーを中心に注目して頂き、知名度が上がっています。」

北米では「スプレーオン・ベッドライナー」として大人気!

傷や錆・摩耗の防止、滑り止めなどの特徴からニーズが高いのが、ピックアップや軽トラックの荷台(ベッド)への施工。USトヨタがオプションの塗装式(スプレーオン)ベッドライナーとして採用しているというから、その性能は折り紙付き。荷台施工に際し、ドレスアップを目的として外装パーツへの施工依頼も増えている。軽トラックや写真のハイラックスの荷台の施工費用は15万円ほどだという。

実際に施工現場に足を踏み入れると、ハイラックストラックやランドクルーザーなど、人気のSUVが多数入庫していた。「トラックの荷台部分やパーツへの施工の他、ボディの全塗装にLINE-Xをオーダーされるお客様もいらっしゃいます。」

施工
施工現場には特殊塗装LINE-Xならではの秘密がたくさん!

LINE-X専用の塗装設備、塗料はすべてアメリカから直輸入。塗料の温度や混合比率などを厳格に管理、塗装ブース内の温度・湿度管理も徹底されているという。
もちろんスプレーガンも専用。写真の通り塗る面とガンの距離が遠く、塗料が広範囲に飛ぶことから、ブース全体をビニールで養生。作業者も使い捨てツナギや、マスク、ゴーグルを着用する。長く太いホースが塗装面に接触しないようにスタッフ1名がサポートにつく。塗装完了後にはLEDの光を当てながら塗装面全体を念入りにチェックする。

美しい仕上がりのため手間を惜しまず…

LINE-X施工が完了した200系ランクル。ご覧の通り、バンパー、ボディのフロントセクション、ドア、さらにはドアハンドルや内張りまでも取り外して個々に塗装していた。塗膜が1ミリ以上もあるからという理由もあるが、手間を惜しまずの作業は、何といっても美しい仕上がりのため。

「トラックの荷台やバンパーなど、保護を目的とした施工はもちろん、LINE-Xは個性的なドレスアップ手法の一つとしても注目されています。我々からもいろいろな活用方法を提案してゆきたいと思っています。お気軽にご相談下さい。」とお話し下さったのは、施工現場を取り仕切る“LINE-X Auto Japan”店長の菅原慎司さん。
この日、塗装ブースに隣接する広いガレージにはハイラックスやランクルなど今人気のSUVが多数停まっていた。明るく快適な作業環境が整えられており、LINE-Xの施工準備のための分解やマスキング、施工後のパーツ組み付けなどが行われていた。
実用からドレスアップまで、活用の幅がとても広いLINE-X。筆者も何かお願いしてみたいと思案中だ。あなたなら何に塗装してもらうだろうか?

取材にご協力頂いたのは“LINE-X Auto Japan”の埼玉本部。国内でクルマなどに対するLINE-Xの施工窓口となる代理店は現在50店ほど。実際の施工作業は、ここ埼玉本部と宮城にある拠点の2ヶ所で行われている。お問合せや施工に関する相談は各代理店か下記まで。

LINE-X Auto Japan 埼玉本部
埼玉県さいたま市岩槻区表慈恩寺978-1
048-793-0077
www.linex-auto.co.jp
photo&text: Gao Nishikawa

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