取材旅行には頼りになる道具を厳選して連れてゆく。カメラ、PC、取材メモなどの小物、そしてそれらを収納するタフなバッグ。
デジタル機器が主体の取材道具を日々持ち歩いているが、長旅に連れ出す時は特に、緩衝材入りの専用バッグが心強い。
だけど、スタイルにもこだわりたいから、僕はお気に入りのバッグの内部に様々な緩衝材を詰め込んで、デジタルカメラやPCの持ち運びに使うことも多い。
しかしバッグ自体の素材がぺらぺらでは心もとない。
最近のお気に入りはタフなキャンバス生地が自慢、頼り甲斐のある"横濱帆布鞄"製のバッグたち。
普段使いはもちろん、アメリカ取材にも"MADE IN YOKOHAMA"のタフなキャンバスバッグは大活躍なのであった。
青空に負けない武鑓(タケヤリ)帆布のブルー、そして道具感満載の森野艦船帆布のグレーは、カリフォルニアの景色にもよく似合う。
ここで横濱帆布鞄自慢の帆布に関する蘊蓄を少々。
●武鑓綿帆布
武鑓(タケヤリ)綿帆布は株式会社タケヤリのオリジナル生地。株式会社タケヤリは、明治21(1888)年創業。手織りからはじまり、創業以来、様々な技術・経験を蓄積、綿・合繊・厚手の帆布から薄手の柄物まで、紡績糸織物を広くカバーする新旧方式混在の製織設備を用い、国産織物市場の多数なニーズに応え続けているという。大正7年11月に誕生した横濱帆布株式会社が昭和に入って海外市場に着目、満州・支那をはじめアフリカ・豪州他世界各国に日本製綿帆布の輸出を成功させ、最盛期の昭和16年頃には綿帆布の海外輸出量の70%を占める。横浜の地から良質の日本製綿帆布が世界に輸出されていたのだ。そしてその主力帆布工場として生産に関わってきたのが、岡山県倉敷にある武鑓織布工場(現株式会社タケヤリ)。横濱帆布鞄が、武鑓綿帆布にこだわる理由がここにある。
●森野艦船帆布
森野艦船帆布を製造している株式会社森野帆布船具工業所は大正3(1914)年、帆布・ロープを中心とした船具加工業として横浜で創業、長年にわたるノウハウの蓄積により確立された森野流加工技術が評価され、戦時下の昭和17(1942)年、旧帝国海軍の軍需部専属工場に指定、艦艇専用品の製作を任されていたという。戦後も船舶運営会の指定工場となり船具加工および各種帆布・ロープその他船用品を製作している業界ナンバーワンの技術工業所。横濱帆布鞄が使用しているのは、海上自衛隊の船舶などに採用されている森野帆布船具工業所オリジナルのビニロン製・艦船帆布4号だ。
横濱帆布鞄のキャンバスバッグ
横浜の市外局番、045が目印の横濱帆布鞄は、企画から素材生産、縫製に至まで、全てが横浜製。
ブルーの武鑓帆布パラフィン・キャンバス製はM14B7 Aviators Kit Bag 2/3(税別12,500円)。
グレーの森野帆布ビニロン・キャンバス製はM14A12 Aviators Kit Bag 2/3 Slim(税別13,500円)。
photo&text: Gao Nishikawa
取材協力:
U.S.M.Corporation(横濱帆布鞄)
横浜市中区海岸通4-24万国橋 SOKO 1F 104号
045-323-9655
www.045usmc.com