空気から水をつくる飲料水生成機、『泉せせらぎ』をが開発したのは、自動車部品の金型製造メーカーだった。
周知の通り、自動車にはたくさんの樹脂製パーツが使われている。その金型開発、製造を担う愛知のメーカー、有限会社テルが、日本初となる独自の技術・機能を搭載した飲料水生成機を開発した。この画期的なプロジェクトの中心人物である、同社の商品開発・企画販売担当、鈴木俊哉さん(上写真・右)と、設計部・商品開発の池田仁志郎さんにお話を伺った。
有限会社テルのメインの業務は上の写真のような、樹脂製自動車部品の金型の開発・製造。この分野においては最先端の技術をもつメーカーなのだ。鈴木さんは同社が『飲料水生成機』の開発に至る経緯について語ってくれた。
「新興国に出張すると、世界には水事情が悪いエリアがとても多いことに気付かされます。健康問題はもちろん、水源の奪い合いが紛争に発展することもあるといいます。そこで私たちにも何かできないものかと知恵を絞り、2015年9月から開発に着手、今年2月に完成したのが、電源があれば空気から水が作り出せる飲料水生成機『泉せせらぎ』です。」
空気中の水蒸気を暖めて水を作るというシステムは日本初。家庭用電源につなげば、24時間で最大約4リッター、大人二人分の飲料水を作ることができる。
「新興国はもちろん、日本においては離島や内陸の集落で、またご家庭でも、もちろん災害時にも役立つシステムと言えます。」
『泉せせらぎ』の本体は、一般的なウォーターサーバーよりもコンパクト。この中に、水を生成するシステム一式が収まる。もちろん生成した4Lの水タンクも含まれる。操作も簡単でユーザーフレンドリーな印象だ。
本誌としては、キャンピングカーに搭載してアウトドアで、なんていう使い方も、是非試してみたいと思った。
『泉せせらぎ』を使い同社のオフィス内で作られた水を試飲したが、とても飲みやすく、美味しいと感じた。「フロンなどを使って空気を冷やして水を作るシステムはありましたが、メンテナンスが難しく、重量が重いなどの難点がありました。」と池田さん。『泉せせらぎ』はメンテナンスが容易でコンパクト、まったく新しいシステムなのだ。「金型製造メーカーが手がけた、はじめての製品ですが、多くの方にお試し頂きたい、自信作になりました。」と鈴木さんは胸をはる。
特許出願中の『泉せせらぎ』についての詳しい情報は、同社のホームページを参照されたい。
飲料水生成機『泉せせらぎ』についての、お問い合わせ先は有限会社テルへ。
0120-237-211/http://izumi-water.jp
photo&text: Gao Nishikawa