インタビュー:ポスターで見たカリフォルニアの青い空に憧れて。塚田 富芳(ツカダ・トミヨシ/デザインスタジオ レオ代表)

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TOMIYOSHI TSUKADA from Design Studio LEO

タンクに自らの手で描いた真っ赤なフレイムスと、青空を映すクローム。まさにLAのような青空の下、先輩クリエーターとアメリカ談義、クルマ・バイク談義に花が咲く。


『ローハイド』や『わんぱくフリッパー』など、テレビ番組を通して見る世界観がアメリカへの憧れの原点だった。
「VANのポスターのカリフォルニアの青い空にもヤラレましたね。」
地元、長野県中野市を拠点にデザインナー、アーティストとして活躍する塚田富芳さん。
少年時代から「ママチャリでチョッパーを作って乗り回すような異端児でした。」と、今に繋がる片鱗を周囲に見せつけていた。
美術学校でシルクスクリーンを学び、印刷会社で一年間修行、21歳でグラフィックデザイナーとして独立した。
その後、地元メーカーとの縁で、スキーのデザインを手がけるが、やがて業界のトレンドがスノーボードとアメリカに向かう。
「ヨーロッパがトレンドを発信していたスキーとは違い、スノーボードには、それまでのスポーツの概念にない自由と、カッコいいビジュアルがあった。すぐにスノーボードの発祥の地、アメリカ・カリフォルニアに飛びました。」
以来20年、毎年一度は渡米、持ち帰った現地の空気を制作にフィードバックしている。

ライフワークとして制作しているイラストのブルーは、まぎれもなくカリフォルニアの青空だ。
仕事柄デジタルツールは欠かせないが「ベースはアナログです。」と塚田さん。
2002年に手に入れた念ハーレー、写真のFXDLローラーダーの見事なペイントは全て自身の手によるものだというから恐れ入る。

「楽しい、気持ちのいい作品で、人を笑顔にしたい。そんな気持ちで、これからもいろんな発信をしていきたいと思っています。」と笑う塚田さんからは、いつもいい刺激をもらっているのだった。

カリフォルニアの空気とともに持ち帰る資料=雑誌やカタログは、制作の刺激だ。その多くは大切に保管している。

昔から好きだった70年代のポップカルチャーを背景に、デジタルとシルクスクリーンの技術を融合して生み出したアート作品群。モチーフはアメリカの風景の中のクルマやバイクが多い。

学校や印刷会社で学んだシルクスクリーンを、今も作品づくりに生かしている。PCやプリンターが備わるデジタル中心のデザイン工房とは別に、シルクスクリーンのための印刷工房がある。

サイケデリックなカラーを駆使、同じ版を用いながら、様々な表情の作品を生み出す。

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塚田さんの愛車たち。深紅のアルファロメオ、燃えるハーレーダビッドソンFXDL、そしてご近所の林道散策に大活躍の新顔、アピオジムニーTS7。今日はどれに乗ろうか、楽しい悩みが尽きないようだ。

photo&text: Gao Nishikawa
special thanks: Design Studio LEO (www.facebook.com/tomi.tsukada)

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