「ハーレーダビッドソン スポーツスターS」試乗記

待ちに待った、新世代スポーツスター。この春登場のスポーツスターSに乗った。

10代の頃、コンパクトでスポーティなハーレーダビッドソンがあることを知って、ずっと憧れを抱いていた。
それからずいぶん経って大型免許を取得、初めての大型バイクがスポーツスターだった。当時のラインナップ中でもっともスポーティなツインプラグのXL1200Sだ。一時ビッグツインに乗り換えたが、数年後再びスポーツスターを買い戻して今も所有している。
他のスポーツバイクとは一線を画す独特の乗り味、スロットルを全開にしてもパーシャルで走っても楽しい懐の深さ、そしてフューエルタンクからリアに流れる抑揚あるフォルムは、誕生以来一貫して守られているスポーツスターの伝統であり魅力だと思っている。


この春発売となった新世代、「スポーツスターS」。
歴代のモデルと大きく違う点が空冷から水冷になったこと。実物をぐるりと詳細に観察したところ、各部にスポーツスターらしいデザイン要素がちりばめられてはいるが、エンジンだけでなくフレームから細かいパーツに至るまで、先代にあたる最後の空冷スポーツスターと共通する部分は見つけられなかった。
モデルチェンジというより“RE-BORN”=生まれ変わりという表現の方が当てはまりそうだ。
昨夏700km以上のロードトリップを共にして好印象をもったハーレー初のアドベンチャーモデル、パンアメリカに積まれていた水冷VツインDOHCエンジンをベースとした、“Revolution Max 1250T”エンジンを搭載。ヘッドや吸排気、出力特性などが異なり中低速域を強化しているという。


実際に乗ってみると滑らかに吹け上がるエンジンフィーリングは軽快かつ力強い。パンアメリカ同様、ハンドルバーに取り付けられたスイッチひとつで走行モードが変えられるのだが、通常モードにあたる「ロード」でも充分にパワフル。ハイウェイへの流入もクルージングも快適だ。
「S=スポーツ」モードにすると図太いトルクが湧き上がってくるのが全身で感じられる、とてもエキサイティングな乗り味に変貌する。だからといって気難しいわけではなく、低重心がもたらしてくれるハーレーらしい安定感、安心感は受け継がれている。


前後にショーワ製のフルアジャスタブルサスペンションや、安定した制動力を発揮するブレンボ製ブレーキを装備。
スポーツスター史上最も軽いのでは?と思わせてくれるクラッチレバーのタッチも嬉しい進化だ。
低速域から充分なパワーが出ていることから、ワインディングはもちろんストップ&ゴーが頻繁なストリートでも走りを楽しむことができる。
今年は1957年にスポーツスターが誕生して65年目という節目。この記念すべきタイミングに上陸してくれる、生まれ変わったスポーツスターの登場を心から歓迎したい。


都心から首都高を抜け米軍横田基地までショートトリップ。
新しい水冷エンジンは力強く、高速、ワインディング、街中でも快適だ。
ABSやトラクションコントロール、選択可能なライディングモードなど、先端の電子制御技術を採用、操作性の向上もはかられ、新世代へと生まれ変わったスポーツスターS。
このバイクの歴史を語る上で欠かせないダートトラックレーサーを彷彿とさせるハイマウントエキゾースト、タンクからシートカウルに至るシルエットにはノスタルジーも感じる。

スポーツスターSの主なトピックは以下の通り。
新開発水冷60度VツインDOHC1,252cc “Revolution Max 1250T”エンジン搭載。足回りには減衰力調整可能なショーワ製の直径42mm倒立フロントフォークとリアのリンク式モノショックを、前後ブレーキにはブレンボ製を採用。シート高755mm、車重228kg。価格は1,948,100円〜


Photo: Kazumasa Yamaoka text: Gao Nishikawa 取材協力: Harley-Davidson Japan(0080-080-8080/www.harley-davidson.com)

Related article

関連記事