『クラフトビールとハンバーガー』松原好秀の"ON THE STREET BURGER"

 アメリカではすっかり定着した感がある、『クラフトビールとハンバーガー』という組み合わせ。そのトレンドは日本にもやってきている。
 
世界にはいろいろな"バーガー"がある。アイケルバーガー、ヘルムト・バーガー……中から今回は「ビールとバーガー」の話を。
 オンザロードマガジンの連載でお馴染み、ハンバーガー評論家 松原好秀のお薦めハンバーガーと、ピッタリのクラフトビールをご紹介。真夏に寄稿してもらったコラムなれど、秋でも美味しく頂ける組み合わせ。これを参考に、是非お試しを!

松原好秀(まつばら・よしひで)
国内唯一のハンバーガー評論家。探求家。
人気のweb、”HAMBURGER STREET”を主宰。
学研ゲットナビウェブにて「週末はハンバーガー」連載中。
http://www.hamburger.jp/

UMAMI BURGER × SIERRA NEVADA PALE ALE
(ウマミ・バーガー×シェラネバダ・ペールエール)

 最強のタッグ、ハンバーガーとアメリカンクラフトビール。求めてまず訪ねたのは「UMAMI BURGER(ウマミバーガー)」。この春日本に上陸したばかりのLAの人気バーガーレストランだ。

 同店で飲める樽生ビールはなんと8種類! 注目は「SIERRA NEVADA PALE ALE(シエラネバダ・ペールエール)」。米国のクラフトビール史はここから始まったと言って過言でない王道中の王道。アメリカン・ペールエールというスタイルの創始者たる一杯。ホップがさわやかに利いているが、おだやかな甘味もあり飲みやすい。

 全15品あるバーガーの中から「Throwback(スローバック)」1,814円を選んだ。これは異色のバーガー。丸く繊細な「うま味」をカラーとする同店のバーガーの中にあって、唯一尖ったパワフルな顔を見せる。
 2枚重ねのパティの間に刻んだオニオン。上に醤油に漬けたピクルスとトリュフ風味のケチャップ。下に味噌とマスタードを和えたスプレッド。ソース状に溶けたチーズがふんわりそれらをなじませる。

バランスのよい優等生タイプのペールエールと、オールドスクールで番長肌なダブルパティのバーガーのペアリング。後味さわやか!

UMAMI BURGER
東京都渋谷区
03-6452-6951)

MUNCH'S BURGER SHACK × LAGUNITAS IPA
(マンチズバーガーシャック×ラグニタス・アイピーエー)

 次は国内屈指の名店「MUNCH'S BURGER SHACK(マンチズバーガーシャック)」

樽生3種の中から店主柳澤さんが「クラフトビールを好きになったきっかけ」「衝撃を受けた」という「LAGUNITAS IPA(ラグニタス・アイピーエー)」
 ウェストコーストIPAの先駆けとも呼べる、これもまた歴史的な一杯。ホップを大量に使った苦味の利いた重たい飲み口。

 だからUSビーフを包丁でチョップして作るマンチズの肉々しいバーガーとは最高の相性、合わせるは「BBQベーコンチーズバーガー」1,782円。
 自家製ベーコンのスモークフレーバーとBBQソースの甘味がガツン! とダブルで押し寄せる、それを打ち消すかのようにIPAの甘味と苦味。

まさに力と力のぶつかり合い。エネルギーに満ち満ちている。
「肉」に命を懸けた渾身のバーガーと、どこか「ロック」な反骨心を覚えるIPAとの競演。夏はコレで乗り切れ!

MUNCH'S BURGER SHACK
東京都港区
03-6435-3166)

photo&text::Yoshihide Matsubara

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