日産の最新技術搭載車『ノート e-POWER ニスモ』と『セレナプロパイロット』に乗る。

航続距離をエンジンによる発電で稼ぐ、新しい発想のEV(電気自動車)『ノート e-POWER ニスモ』。自動運転システムを世界初搭載したミニバン『セレナ プロパイロット搭載車』。日産の最新技術を搭載した2台を、DJやラジオナビゲーターとして活躍、オンザロードマガジン本誌にも長年連載をお願いしているDJドラゴンさんと、オンザロードマガジン編集長GAOニシカワが体感した。

ノート e-POWER ニスモ

フロントに搭載されている1200ccエンジンは発電用。前輪を駆動するのは『リーフ』と同種のEVシステムであり、このクルマはれっきとした電気自動車だ。発電・給電しながら走れることから、バッテリーはリーフよりかなり小型なものが採用されている。そのため、エンジンが搭載されているにもかかわらず、車重はリーフより200kgも軽い。駆動に関係のないエンジンではあるが、その回転をアクセル開度に合わせて変化させるなど、『ガソリン車から乗り換えても違和感を感じないように』という配慮が面白い。試乗車は専用サスを装備、内外装からモーターの出力特性までスポーティにした『ニスモ』仕様。回生ブレーキがかなり強力で、フットブレーキを使わずともアクセルのオンオフで速度コントロールができるのが面白い。

セレナ プロパイロット搭載車

同一車線自動運転技術『プロパイロット』を、高級車やスポーツカーではなく、あえて人気のミニバン『セレナ』に搭載したところが凄い。自動車専用道路であれば、ハンドル・アクセル・ブレーキをプロパイロットに担わせて自動運転感覚を満喫できる。ただしハンドルから完全に手を離すと約5秒で警告ランプが点灯、さらに5秒間、手が離れていると警告音とともにプロパイロットが解除される。カメラによる車両制御なので、雨や霧などによる視界不良や、路上の白線の有無によっては『プロパイロット』が解除されることも。完全自動運転ではなく、現段階で最も高度な運転支援システムと考えるべき。1,000キロほど試乗したが、運転者の疲労軽減効果は絶大。

DJドラゴン(写真右)の感想:『ノート e-POWER ニスモ』は、不思議なカタチのシフトノブが密かにEVを主張しているけど、スタータースイッチを押すとエンジンが回り出す。「あれ?これって、EVじゃないの?」と思ってしまうのが面白い。さすがEV、パワーはかなりのものだね。『セレナ』は外観が普通のミニバンだけど、自動運転技術に未来を感じる。『大衆車もここまで来たか!』と思わずにはいられない。矢沢永吉さんもCMでおっしゃっているけれど、やっちゃってますね、NISSAN!

GAOニシカワ(写真左)の感想:『セレナプロパイロット』は、速度を任意に設定して、ハンドルに軽く手を置いておくだけでクルマが運転の基本操作をすべて行ってくれる。人生初の自動運転体験は、感心・感激の連続。操作がシンプルで、システムが主張しすぎないのもいい。それとミニバンとしての機能も円熟の領域。多彩なシートアレンジ・操作の簡便さは特筆モノ。ウインドウ部分だけ跳ね上げることが出来るバックドアは、狭い駐車場などでも便利。『ノート e-POWER ニスモは速くて運転が楽しいクルマだったが、個人的には『セレナ』のプロパイロットの方が印象深かった。

日産自動車 清水淳さん(写真中央)からのコメント:『ノートe-POWER』は充電のことを気にしなくとも、電気自動車の楽しさを満喫してもらえるクルマになっています。『セレナ』の装備は熟成されていて快適そのものですし、『プロパイロット』は長距離や渋滞時の強い味方になってくれると思います。

photo: kazumasa Yamaoka text: Gao Nishikawa

special thanks: 日産自動車株式会社

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