アメリカ大陸横断ツーリングの相棒は01年モデル、そしてシカゴからロサンゼルスまでのルート66全行程走破は03年の100周年記念モデル、どちらもツインカム88エンジン搭載のFLHRだった。だからこのバイク、ロードキングはいつでも僕にとって特別な存在なのだ。
結論から言うと、シンプル&オーセンティックなツーリングモデル、ロードキングも一段と乗り易く、気持ちいいバイクになっていた。アップライトなポジションや、見晴らしのいいウインドスクリーン、雄大な景色を映すクロームパーツが、旅の気分を盛り上げてくれるのは、歴代ロードキングに共通する美点。大排気量Vツインならではの「ドッドッドッ!」っという力強いサウンドを楽しみながら、地平線までまっすぐに続く道を走る…。これが僕にとってのこのバイクのイメージ。
ツインカムにあったメカニカルノイズを抑えつつ、鼓動感を強調した107キュービックインチ(1745cc)のミルウォーキーエイトエンジン、SHOWA製フロントフォークや、新型フレームの採用によるパフォーマンスアップ、プライマリーカバーのスリム化による足着き性の向上などが、ロードキングの魅力に、さらなる磨きをかけてくれた。
パワー、ハンドリング、ブレーキなど、すべての性能において大きな進化を遂げた17年モデルではあるが、洗練されることで味わいを失ってはいなかった。豊かなトルクとともに、優雅にロードトリップを楽しむ。新時代のビッグツインは、その相棒にこそ相応しい。
ULTRA LIMITED LOW FLHTHL
今回のモデルチェンジで、一番乗り易くなったのはこの一台かも知れない。そう思うほど、感銘をうけるフィーリングだった。パフォーマンスアップは、重量級のウルトラでこそ、その真価を発揮しているのかも知れない。
STREET BOB FXDB
2台用意されたダイナファミリーにも短時間だが試乗した。待望のツインカム103エンジン搭載による恩恵は、数値以上。胸のすく軽快で力強い走りは、ツーリングファミリーにはない魅力に溢れている。
2回にわたりご紹介してきた2017年モデルは、既に全国のハーレーダビッドソン正規販売網でご覧頂ける。
また11月26〜27の両日、東京・お台場で開催される「大試乗会 in お台場 ~ THE LEGEND ON TOUR ~」(入場無料)にてテストライドすることも可能だ。
photo: Harley-Davidson Japan
text: Gao Nishikawa
special thanks: Harley-Davidson Japan (www.harley-davidson.com/0800-080-8080)