日本を護る!陸上自衛隊第1師団の防災関連装備品を知る。

特に東日本大震災以降、その頼もしい存在がクローズアップされている我が国の自衛隊。首都圏を中心に1都6県の防衛・警備・災害派遣・国民保護に関わる任務に即時対応する陸上自衛隊第1師団の防災関連装備品を見てみよう。

上のメイン写真左は82式指揮通信車。下にご紹介する化学防護車は、この車両をベースに作られている。小松製作所製、水冷10気筒4サイクルディーゼル、最高出力305馬力、最高時速100キロ。運転席へは上部ハッチからアプローチ、その他の乗員は後部ハッチから乗降する。右の1-1/2トン救急車はトヨタ製。高機動車と共通のシャシーだが、4輪操舵機能は持たない。ドライバーの他、衛生課隊員と救急救命士、ドクターが乗車する。4~6名の傷病者を搬送可能。

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 オートバイ偵察用。カワサキKLX250ベース。無線やガード類を装備しているためにストックより重いが、ヘリでも運搬可能。悪路やガレキでも走破できる性能と、過酷な訓練を積んだ隊員によって災害時における偵察行動の最前線を担う。

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 衛星単一通信可搬局。災害現場などで、「静止衛星スーパーバードC号」との連携によって、自衛隊内の電話/ファックス/データ通信を確保する。高機動車に積まれた各種機器には軽油発電機も含まれ、外からの電源に頼ることなく一台で自己完結できる。

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 人命救助システムのひとつ、探索用音響探知機。災害によって倒壊した建物やガレキの下の物音を探知、被災者を救助するために運用。同システムには、他にも油圧式カッターなど様々な機器が含まれる。

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 化学防護車。有毒物質や放射能汚染の状況を調査・測定できる装備を施した偵察車両。1995年の地下鉄サリン事件、99年の東海村JCO臨界事故などでも出動。福島第一原発事故では原子炉建屋直近まで初期に接近し測定活動を行った。

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 化学防護衣。化学防護車と同様、第1特殊武器防護隊が装備。防護マスクと併用することで身体を完全に覆い、有毒物質や放射能による汚染地域の偵察や除染作業時に活躍する。夏期は30分程度しか着用出来ないそう。

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 軽装甲機動車(LAV)。戦略・戦場機動の他、災害派遣時の移動はもちろん、風火などから隊員を守るためにも多用される。4名乗車、全長4.4m、全幅2.04m、全高1.85m、車重4.5トン、最高速度100キロ。小松製作所製。

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 野外入浴セット。浴槽、シャワー、貯水タンクなどをセットにしてトレーラー移動、6名の隊員で2時間半ほどで設置可能。一日1200人が入浴可能。発電はガスで、ボイラーは灯油でまかなう。東日本大震災や伊豆大島台風被害の現場でも活躍した。

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 浄水セット逆浸透型。3-1/2トントラックに積載、ヘリなどで空輸も可能。河川、湖沼等の水を約40分でろ過、飲料、医療用水にできる。5トンを貯水出来るタンクを2つ装備。PKOでも使用。現状では海水には非対応だそう。

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 野外炊具1号(改)。73式大型トラックで牽引、4~5名で最大250人分の主食・副食が約45分で同時に調理できる。炊飯、汁、焼・煮・炒・揚げ物等の調理が可能。スライサーやカマドも装備、火力は灯油でまかなう。

photo&text: Gao Nishikawa
special thanks: 有限会社オートジャンクション

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