1997 TOYOTA LAND CRUISER FROM CALIFORNIA カリフォルニアから帰ってきたランドクルーザー

その名の通り、世界中の道を、大陸をクルーズするために生まれ、進化を続けるランドクルーザー。今回は最新型や、注目の復活版70(ナナマル)、人気の60(ロクマル)でもなく、ちょっと旧いランクル80(ハチマル)、それもアメリカ帰りの一台をご紹介しよう。

text:Gao Nishikawa

 「ずいぶん角がとれて、背の高いクラウンみたいだな」これが僕がハチマルを初めて見た率直な感想。機能面も含め乗用車的に洗練されたというが、僕にはカッコいいとは思えなかった。その印象が変わったのはカリフォルニアのフリーウェイでだった。巨大なアメリカンSUVに混じって、ちょっとスノッブな雰囲気を漂わせながら悠々と走るハチマルの姿がなんともかっこ良かったのだ。

 ランクルは1957年に北米に輸出され、アメリカ人にとっても馴染み深いトヨタ車。つまり早くから北米も視野に入れて作られていたクルマなのだ。ロクマル以降の日本車としては大がらな車体も、フリーウェイの風景にマッチするものだ。

 このページのブラックのハチマルは、97年モデルで北米上陸40周年アニバーサリーの限定車。カリフォルニア在住の日本人のオーナーが新車で購入し、数年間現地で使用、帰国の際に持ち帰り、日本でも大切に乗られていたという一台。詳しくは写真をご覧頂きたいが、20年以上の時を経て、目の前にする北米仕様のハチマルのたたずまいは、やはりとても魅力的だったことを、ここでお伝えしておきたい。

 これ、いいかも!と思った読者は是非、東京・小金井のユーティリタスに行ってみよう。同店が得意とする北米仕様のロクマルや現行セコイヤもラインナップされているので、比較してみるのも一興。北米仕様の魅力を見て触れて体感して欲しい。

レザーシートの広いキャビンに左ハンドル、いつもの風景も違って見えるハズ。

北米仕様だけの純正装備、ルーフラックとレール。リアゲート上部にはスポイラーも。

リアフェンダーの赤いマーカーは、フロントのアンバーのコーナーマーカーとともに北米仕様の特徴。

シフトレバーの横の40周年記念のバッジ。このクルマの製造年である97年はランクルの北米上陸40周年!ちなみに取材車の走行距離は78,000マイル、販売価格は259万円。 141014_Utilitas_04.jpg 同じ97年型でも日本では盗難防止キー(上)が採用されていたが、当時スペアキーの製作が難しかったのか、北米仕様では旧来通りのキーが標準だった。

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