新型フォードGT350&GT350R試乗記

先代マスタングのロードゴーイングレーサー「BOSS302」の後継モデル的ポジション、新型フォードGT350。
パワフル、軽量、そしてずば抜けた「脚」を持つ。シェルビーのコブラバッジを付けた"GT350"と"GT350R"でサーキット全開走行!という心躍る試乗会に参加する機会を得た。
その官能的な走りなどについて、カリフォルニアのバトンウィローからKenny Nakajimaがご報告する。



なんといってもこのクルマの肝は、マスタングGTとは全くの別物と言って良い5.2リッターV8通称「ブードゥー」エンジンだ。
フォードのNAエンジンとしては歴代最強の526馬力。
高回転に優れたフラットプレーンクランクシャフト(市販車ではフェラーリやロータスくらいでしか使われていない)が採用されている。
レーシングエンジンのように甲高いエクゾーストノート。
一気に8,250rpmまで吹上がるシャープなレスポンス。
そして429lb−ftの図太く幅広いトルクは、テクニカルなバトンウィローサーキットで、2−3速間のチェンジだけで、グイグイと軽量ボディを引っ張ってくれる。
切り返しでのスムーズな挙動は電磁式可変の「マグネライド・ショック」の恩恵だ。コルベットやキャデラック等には装着されているものだが、フォード車としては初搭載。
新型マスタングから採用されているリアの独立懸架サスとの相性もバッチリだ。




シルバーバッジの"GT350"と赤バッジの"GT350R"。
両者の大きな違いはエアロと軽量化パーツだ。ベースのマスタングから、Aピラーより前面のボディパネル全てを変更。
空力性能を大きく上げており、GT350RではさらにFデフューザーとリアウィングを大型化している。
リアシートも取り外し内装材も簡略化、カーボンファイバー製の19インチホイールを採用するなどして59kg(ノーマルのマスタングGT比では約140kg)もシェイプアップしているのだ。
大径のブレーキはブレンボ社製フロント6ポッド、リア4ポッドキャリパーを装備、フル加速からの制動、デリケートなタッチまで絶妙にコントロール。
ストレートからのフルブレーキングはもちろんのこと、切り返しなどの素早い挙動の変化にもしっかりと対応してくれるのだ。
シッカリと路面に食いつく足回りと軽やかな「ヒラリ感」。
そして五感を揺さぶる強烈な加速。すべてがバランスよく、とにかく楽しい一台だ!!

photo&text: Kenny Nakajima

Related article

関連記事