テイストが作る温故知新のカスタムたち

ORM editor's Choice
Buell&Harley-Davidson Custom by TASTE
温故知新のカスタム。
様々なアイデアソーズから生み出されるテイストのカスタムマシン

「今度はそうきたか~。」八王子の怪人、テイストの河内山智さん。
いつもこの人の作品にはヤラレるのである。

ハーレー好きなら、上のマシンを見て「おや?」と思うだろう。
下の写真にあるゼッケンの付いたミニチュアを見れば、「なるほど!」となる。
個性的過ぎるフォルムから、カスタムベースに選ばれることの少ないBUELL XBの、タンクを兼ねる太いフレームをキャンバスに、ハーレーのヴィンテージレーサーを彷彿とさせるグラフィックを描く。
レタリングされたロゴをよく見ると"Lunch Time-Custom"。
ディテールの作り込みに感心したり、遊び心にニヤッとさせられる。

黒・白・赤に塗り分けられたカウル付きの車両もまた、独特のパッケージングからカスタムベースとして敬遠されがちなハーレーダビッドソンのXR1200がベース。
アイデアの源は、ハーレーダビッドソン・ワークスの往年のロードレーサーKRTT。
"ハーレーが今、本気でロードレースに打って出たら、こんなマシンが生まれる"、という考察から生まれたカスタムだからXR1200TTの文字がレタリングされる。
当然パフォーマンスも高められているが、河内山さんの大好きなミュージシャンにちなんだメッセージが描かれるなど、楽しい脱線も忘れない。

真っ黒い車両は上とは年式違いのBUELL XBカスタム。
MFPの文字を見てご想像の通り、映画「マッドマックス」に登場する追跡専用の警察車両、"インターセプター"がモチーフの架空の劇中車。
もちろんディテールも"Lunch Time-Custom"と異なる作り込みがなされている。
注目を集めた新作"マッドマックス4"にも是非登場させたかった一台だ。
「最小限のカスタムで最大の効果を狙った結果だよ。」と不敵な笑顔を浮かべる河内山さん。
そこに長年培った知識とセンス、技が存分に生きているから、この人の作るカスタムにはいつもヤラレてしまうのだ。

150731_taste_04.jpg

150731_taste_06.jpg

東京・八王子に「カスタム工房」と呼びたいショップを構える河内山智(こうちやま・あきら)さん。
デザイン学部出身で、ギタリストを目指したほどの音楽フリークでもあり、クルマにも造詣が深い。
ハーレーを生んだアメリカの魅力は「インチとミリ、単位の違いからくる、圧倒的な大味さ。」と答える。
「でもシリコンバレーもNASAもアメリカ。その飽きれるほどの差も面白い。」
なるほど、この考察も河内山さんらしくて面白い!

photo&text: Gao Nishikawa / special thanks: TASTE CONCEPT MOTORCYCLE (http://www.taste-concept-mc.com

Related article

関連記事