洗練の足回りが光る660cc。隅々まで工夫・改善された内外装も好印象！
走り出してまず感嘆したのが、非常に洗練された足回り。試乗したのは写真上のイエローの660cc、まったくのノーマル車だ。先代のノーマルと比べ格段に乗り心地がよく、それでいてシッカリした剛性感がある。ATは先代の3速から4速に進化、シフトショックも街中で普通に流す限りは極めて小さく、現代的。乗用車タイプのクルマからの乗り換えでも大きな違和感はないだろう。
僕の周りのクルマ好きや業界関係者も絶賛する潔く四角いエクステリアも、写真で見る以上に魅力的でカッコいい。
「復活したルーフの『雨どい』はバイザーが不要になるほどに幅が広い。キャリアも取り付けやすくなりました。」とはエスショップ代表の知念太士さん。
一段と使い易く、いい意味で洗練されたインテリアも好印象。先代ではボタン式だったトランスファーがシフトレバーの下に復活した。
リアシートを倒した際に、ラゲッジフロアがフルフラットになるよう工夫、とても丁寧に作られているあたりも特筆すべきポイントだ。
気持ちよく吹け上がるエンジンのおかげもあってキビキビしたジムニーらしいさは健在。断じて4駆好き、ジムニーファンの期待を裏切るようなモデルチェンジではないと言ってしまおう。

取材のアシにしたいシエラ。
先代シエラから約200ccのアップだが、実際に試乗してみると排気量以上の進化が体感できた。「気持ちよく速い」、それが第一印象。先代シエラで感じたモタツキ感が払拭され、「取材のアシに一台欲しい！」と思わず口走り、横に乗って頂いたアピオ代表の河野仁さんをニヤリとさせてしまったのはここだけのお話し。
660モデル同様、足回りも秀逸で、ノーマルのままでも充分に楽しいクルマだと言える。
試乗させて頂いたアピオでは、早くも複数台の660、そしてシエラを用意。河野さん曰く「すでにパーツの開発にも着手しています。」とのこと。アピオの手によって更にバージョンアップした新型ジムニーにも大いに期待したい。

前述以外に僕が注目したポイントがホイール。
写真上はスズキ純正のノーマル、左側が660モデル、右がシエラ。上はスチールで下がアルミだ。
660のスチールは先代ゆずりと思われる星形、新デザインのアルミは軽快な印象だ。
シエラのスチールは、このままでもシンプルでカッコいい。一方のアルミは太目のスポークで力強さを演出している。
タイヤはいずれもショルダーの丸い舗装道路用のラジアルが標準。

アピオでは先代JB23用に開発、大人気を博している、スチールホイールライクなデザインが魅力のアルミを早速新型ジムニーに装着。ヨコハマのジオランダーM/Tタイヤとのマッチングも絶妙で、非常にカッコいい。
シエラ用も開発中とのことなので、楽しみに待ちたい。

秀逸な足回りやエンジン、ミッション。ジムニーらしさをキープしつつ、いい意味で洗練されたインテリア。そして「よくぞここまで！」と言いたくなる、思い切りよくスクエアなエクステリア。『ベイビーG』などと揶揄する声もあるようだが、新型は間違いなくジムニーの系譜に新しい歴史を刻むスズキの、そして日本オリジナルの小さくて優秀な四輪駆動車であることを、実感した。
噂に違わぬ品不足のようだが、手に入れやすい価格の小型車の中で、そして今新車で手に入るクルマの中でトップクラスの魅力的な一台であることは間違いなさそうだ。
少しでも興味をもたれたならば、是非一度最寄りのショップで試乗することをお薦めしたい。尚、新型の虜になってしまっても、当方は一切関知しないので、そのつもりで…。

アピオ代表の河野仁さんによる動画インプレッションがアピオのサイトにアップされている。そちらも是非チェックを。
http://www.apio.jp