ピックアップがベースの「トラキャン」への憧れから20代で起業。約30年に渡りキャンピングカー業界の一翼を担ってきたミスティックプランニング代表の佐藤正さんに、「気軽に楽しめるキャンピングトレーラー」について語って頂きました。オンザロードマガジンに連載の記事を再編集してお届けします。
欧米と日本のトレーラー事情
わが国においては、自家用車でトレーラーを牽(ひ)こうという人はごくわずかでしょう。しかし「牽引する」という文化が根付いているアメリカやヨーロッパでは、実用的な道具として、また余暇を楽しむツールとしてトレーラーがとてもポピュラーな存在です。そしていうまでもなく、この欧米がキャンピングトレーラーの本場でもあります。
キャンピングトレーラーとは
ミスティックでも、これまでにキャンピングトレーラーを製作したことがあり、私自身トレーラー牽引して旅をした経験があります。「普段乗っている自家用車で必要な時だけ牽引できる」、「居室が広くとれる」など、キャンピングトレーラーのメリットはいろいろあります。
しかし、キャンピングトレーラーは一般的に車体が大きいものが多く、牽くことを躊躇してしまうのも事実だといえるでしょう。
気軽に楽しめるキャンピングトレーラーのかたち
そこで「軽自動車でも牽引できること」、「初めてでも気軽に牽けること」をコンセプトに、長年にわたり温めていたプランを具現化しました。それが今回ご紹介する「レジストロ・クコ」です。
普通キャンピングカー登録で総重量を500kg以下に収め、牽引免許なしでも牽くことができます。車台は国内有数のトレーラーシャシメーカー製を使用しており、居室部分には、ミスティックがこれまで培ってきたキャンピングカー製造のノウハウが生きています。
小さなクルマでキャンピングトレーラーを牽く
完成後、いろいろなクルマで牽引してみました。
純正ヒッチ(牽引装置)付きのマツダCX-8では、牽いていることを忘れてしまうほど楽々。スピードの出し過ぎに注意が必要なほどでした。
スズキの軽自動車、ラパンでは上り坂以外では無理なく牽くことができました。
テストした中でのベストマッチはトヨタのハイブリッド車、アクア。POWER MODEになりますが、ストレスなく牽引できて平均燃費は14.5km/Lでした。
キャンピングトレーラーを牽く楽しみ
牽引という、ちょっとしたチャレンジ、走り出した時の満足感や優越感、そして一段と豊かになるキャンプシーン…。私見ですがキャンピングトレーラーには段階的な楽しみがあると思っています。
小さなキャンピングトレーラーで、牽引デビューしてみませんか?
"レジストロ・クコ"
サイズは全長3,520mm/全幅1,720mm/全高2,270mm。
サブバッテリー、網戸付きスライドウィンドウ、給排水専用タンク&ステンレスシンク、ミラフォーム断熱などを標準装備。
ベッドを展開すれば大人3名が就寝可能。撮影車にはオプションの冷蔵庫、オーバーヘッドキャビネットなどを装備。価格は税・登録諸費用別で218万円~。
ミスティックでは、他にも豊富なオプションをご用意しています。乗用車側に取付けるヒッチメンバー=牽引装置の取付けについてもご相談ください。
M.Y.Sミスティック
本 社:山梨県甲斐市長塚625-1 TEL 055-277-4713
湘南店:神奈川県平塚市大神2360 TEL 0463-74-4726
www.mystic.ne.jp
佐藤 正(Masashi Sato)
トラキャンから軽キャンまで、幅広いラインナップを誇るキャンピングカーメーカー、ミスティックプランニング代表にして、JRVA(日本RV協会)広報部部長も務める。ハーレーやアフリカツインをなどを所有するバイクフリークでもある。
photo: GaoNishikawa