東京のオートジャンクションが、不動車だった消防自動車仕様のジープをベースに、名作絵本の主人公をイメージしながらレストアした、言わば実車版『しょうぼうじどうしゃ じぷた』。完成後さまざまなイベントでお披露目されたが、次の現場はなんとホンモノの消防署だという。本誌新人のナカムラがレポートする。
photo: Tez Sakagami text: Nozomi Nakamura
special thanks:オートジャンクション,志村消防署
本誌で数回にわたり、レストア・再現記としてご紹介した『じぷた』が、何とホンモノの消防署に展示されると聞いて、早速取材に行ってきました。オートジャンクションの安井社長じきじきのご案内で伺ったのは、東京・板橋区の志村消防署。夏休み期間中の当日は、署員や関係者の家族を対象とした『ファミリーデイ』。消火やロープ渡り、ハシゴ車乗車の体験など、親子で楽しめるアトラクションが用意されていました。
すでに本誌でその姿を見ていたワタシでしたが、リアル消防車とともにたたずむ『リアルじぷた』は、まさに絵本の中から飛び出してきたよう。真っ赤なボデイと真っ白いホース、ぷーぷー鳴るサイレンに、思わず「カワイイ!」と声をあげてしまいました。そんなワタシ以上に興奮して『じぷた』にかけ寄る子供たちは、運転席によじ登って得意げにハンドルを動かしたり、手動のサイレンを夢中で回したり、目をキラキラさせながら楽しんでいました。それを写メにおさめるお父さんお母さんたちもみんな笑顔です。
「旧いジープや消防車を、これまでいくつもレストアしていますが、『じぷた』を再現しようと考えた目的のひとつは、子供たちにこんなふうに楽しんでもらうことでした。」と安井さんも嬉しそうにお話ししてくれました。今日『じぷた』とふれあった子供たちにも、夢を持って、諦めずに叶えて欲しい。そしてワタシたちオトナも、子供たちに夢をあたえられるような、夢をもったオトナにならなきゃ、そんなことを考えながら帰路についたのでした。
消防自動車仕様のジープCJ3-Bがベース。錆びだらけだったボディはもちろん、不動だったエンジン、ポンプまでキレイにレストアされ、絵本の中の消防自動車のディテールを与えられた『じぷた』。
当日お世話になった志村消防署、原修署長とオートジャンクション代表、安井一郎さん。
オートジャンクションは4WDを中心に販売、修理、整備を行う業界屈指のショップ。軍用車、旧車、働くクルマが得意分野。 有限会社オートジャンクション 東京都板橋区徳丸5-39-12 03-5398-1649 http://www.autojunction.co.jp