新型マスタングに乗った!

伝統のフォルムを現代的に解釈してデザインされたエクステリア&インテリア。60年代の呼称であるファストバックの復活。四輪独立懸架や、2.3リッターターボEcoBoostエンジンの採用。そして日本市場にとって大きなトピックである右ハンドルの導入(2015年秋以降)。グローバルモデルとして生まれ変わった新型マスタングにGAOニシカワが乗った。

来春の発売がアナウンスされている新型フォード・マスタングの"50 YEARS EDITION"。1964年にデビュー、2014年に誕生50周年を迎えたことを記念して用意された特別仕様車だ。新型マスタングは、すでにミシガン州の工場で生産が始まっており、アメリカ本国ではすでに路上を走っている。しかしそれ以外の地域にはまだデリバリーされておらず、日本で発売されるこの"50 YEARS EDITION"は、何とアメリカに次いで早い登場なのだという。おまけにメディア向けの試乗会も、本国以外での開催は日本が初めてというから、気持ちも昂るのである。

試乗は小田原市内をスタート、西湘バイパスと箱根ターンパイクがメインステージ。V8ほどの迫力は望めないが、314馬力のパワーと44.3kgのトルクは充分以上。適度に締め上げられつつもしなやかな足回りも秀逸。ハンドルを切ってすぐにわかる軽快感は、リアサスペンションがリジッドアクスルからマルチリンクとなったこと、そしてエンジン重量が軽いことによる恩恵だろう。高速での追い越しや、ワインディング走行ではパドルシフトを駆使してスポーティなドライブを楽しむことができる。その軽快さからだろう、14年モデルより40ミリも広くなった全幅を意識させられることが全くなく、市街地や狭い山坂道でも取り回しに気を遣うようなことは皆無だった。フォード・ジャパンのスタッフの方をはじめ、何人かに「GAOさんはやっぱりV8派でしょ?」と言われたが、今回試乗したこのモデル、いろいろな意味で「侮りがたし!」と思った。

気持ちよく試乗しつつ、小排気量ながらハイパワーな2.3リッターのEcoBoostエンジン搭載モデルを僕なりに頭の中で解釈してみる。

これは、薄くても強靭でしなやかな天然皮革で仕立てられた、"軽くて上質なレザージャケット"のようだ、と思った。

新型のV8搭載車にはまだ乗ったことがないので、14年モデルとの比較で恐縮だが、5リッターV8モデルはそのサウンドや鼓動感、そして大排気量ならではのモリモリとわき上がるようなトルク感のせいもあって、「大きくてハイパワーなマッスルカーを運転している」という、ある種の気構えが必要になる。レザージャケットに例えるならば、リッターバイクによく似合う"鎧のように頑丈なライダースジャケット"。「今日は飛ばすぞ!」と気合いを入れて身にまう一着であり、頼りがいのある魅力的な存在だ。

では、毎日の生活を共にするような使い方をするワードローブであれば、どちらを選ぶだろう。バイクに乗る時だけでなく、いろんなシーンで気負わずに羽織れて、しかもカッコいい上質なレザージャケットがいいではないか。そう考えると、今回試乗したこのモデル、ホントに「侮りがたし!」なのである。

V8モデルの登場は1年ほど先のことだというが、"50 YEARS EDITION"でも新型の魅力を充分に味わうことができたように思う。まさに新世代マスタングの誕生を実感した一日だった。

試乗車の概要は下記の通り。

全長×全幅×全高:4,790×1,920×1,380/車両重量:1,660kg/新開発2.3リッターEcoBoostエンジン(直4DOHC/2.3リッター直噴ターボ/無鉛レギュラー)/最高出力314ps/5,500rpm/最大トルク44.3kg-m/3,000rpm/セレクトシフト付き6速AT/左ハンドル/ノーマル・スポーツ+・スノー/ウェット・トラックの4つのドライブモードを選択可能/パフォーマンスパッケージ(専用チューニングサスペンション、大型ブレーキローター&キャリパー)標準装備/車両安定化装置"アドバンストラック"搭載/カラー:ディープインパクトブルー・メタリック

photo: Tez Sakagami text: Gao Nishikawa

special thanks: フォード・ジャパン・リミテッド http://www.ford.co.jp

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