マッスルカーとタイヤに見る、アメリカン・プロダクツの魅力

いつの時代も僕たちにとって魅力的な存在であり続けるアメリカン・メードのプロダクツたち。
その中でも、過去から現在に至るまで、常にハイパフォーマンスを追い求め続けるマッスルカーとタイヤについてお話ししよう。

ワークウェアとして生まれながら、その機能性とシルエットの魅力からファッションアイテムに昇華したジーンズ。
登場以来、その性能や耐久性、そして単純な構造を変えることなく作り続けられ、世界のファンに愛され続けている質実剛健なオイルライター。
モニター上にデスクトップという概念を生み出し、直感的に使うことができるコンピュータや、その発展型と言える携帯端末…。
アメリカン・プロダクツの魅力。その根源にあるのは『シンプルなわかり易さ』なのだと思う。



マッスルカーはV8エンジンの圧倒的なパワーとトルク、そしてダイナミックなシルエットをもって、アメリカ人が考える最高のスポーツカーをシンプルに体現する存在。
その起源は1950~60年代と言われ、ビッグスリーによるパワー・ウォーズの中で、豪快かつ魅力的なモデルが次々に生まれた。
しかし、70年代中頃の低燃費志向の高まり、その後の石油危機により、一旦は新車市場から姿を消すことになる。


2000年代中期以降、北米市場の景気回復を背景にフォードからマスタング、GMはシボレー・カマロ、そしてクライスラーはダッジ・チャレンジャーの名前で、それらの車種が最も魅力的だった70年前後のスタイルをトリビュートするモデルが相次いで登場した。
この出来事は『マッスルカーの復活』として、多くの人々のハートを捉え、現在に至っている。


そしてマッスルカーはもちろん、あらゆるクルマの足元を過去から現在に至るまで支えている、アメリカン・ハイパフォーマンスタイヤの先鋒が、グッドイヤーである。
1890年代末に馬車や自転車用ゴム製タイヤのメーカーとしてその歴史をスタート。その後登場した自動車のためのタイヤはもちろん、自動車レース用タイヤもいち早く開発。
乗り心地だけでなく、常にパフォーマンスを追求、その姿勢はF1やNASCARをはじめとした様々なトップカテゴリーでの輝かしい実績によって裏付けられている。
ハイパワーを支え、刻々と変化する路面状況に対応しながら、安全・確実に走る。
そして常に勝利を目指す。
創業直後に生まれ、今も受け継がれているロゴ、『Wingfoot"=翼がはえた足』には、グッドイヤーのチャレンジング・スピリット、そして未来に向けた夢が込められているのだ。

MOPARとも呼ばれるクライスラー・マッスルの中でも代表的な存在のダッジ・チャレンジャー。
パンサーピンクのチャレンジャーT/A 340 Six Packは1970年型で、排気量5,600cc。当時1,000台ほどほどしか生産されなかったトランザムレース参戦のためのホモロゲーションモデル。
レッドバールの現行チャレンジャーSRT8 392は排気量6,420cc。
マッスルの名に恥じないスタイルとスペックを身につけるが、電子制御の3モードアダクティブサスペンション、パドルシフトの他、ブレーキアシストなど、最新の装備も。
この2台の足元を支えるのは、もちろんグッドイヤーのハイパフォーマンスタイヤ、"EAGLE"である。


ダッジ・チャレンジャーSRT8に純正採用されているのは、グッドイヤー"EAGLE F1 SUPERCAR"。
470馬力をしっかりと受け止めるグリップ力と剛性感、そしてロードカーに求められる耐久性を兼ね備える。
サイドウォールやショルダーのデザイン、そしてトレッドパターンも、マッスルカーの迫力にひけをとらない。

グッドイヤーは1899年に自動車用タイヤの製造を開始、1916年には世界最大のタイヤ・ゴムメーカーになっていた。写真は初期のタイヤ製造風景。


タイヤの開発、製造とともに初期から力を入れているのがレースへの参戦。グッドイヤーはモータースポーツの歴史とともに発展してきたのだ。

1920年代から飛行船の開発・製造を行った歴史があり、一時は航空機製造も手がけていた。今も飛行船をプロモーションに活用している。



グッドイヤー・タイヤ&ラバー・カンパニーの本拠地は、オハイオ州アクロンにある。写真は2013年に完成した新社屋。

NASCAR最高峰のスプリントカップをはじめ、ナショナルシリーズすべてに長年タイヤを供給している。写真は昨年のチャンピオン、カイル・ブッシュのマシン。

グッドイヤーのシンボルマーク"ウイングフット"は、古代神話の神、マーキュリーが由来。足元に羽を携えたマーキュリーは吉報の使者として知られている。

photo: Kazumasa Yamaoka
text: Gao Nishikawa
special thanks: 日本グッドイヤー株式会社(www.goodyear.co.jp / 0120-609-188)

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