レーシングドライバー織戸学さんのガレージ"MAX★ORIDO RACING/130R YOKOHAMA"で見たレーシングシミュレーター。プロがトレーニングに使っているというこのマシンに興味津々だった編集長 GAOが、ふたたび織戸さんを訪ね、レーシングシミュレーターに試乗した。 「サスペンションやタイヤのフィーリングまで、実車に近いセッティングになっています。」そう言いながら織戸さんが見せてくれたのは、アメリカ製の機材とソフトを織戸さんがモディファイした一台。 そしてもう一台は間もなく完成するという、100%織戸オリジナルのシミュレーターだ。 パドルシフターを備えたステアリング、前後左右に動きクルマの挙動を再現するバケットシート、そして世界各地のサーキットを映し出す大型のモニターが正面と左右に合計3台、これが主な構成パーツ。 「若いドライバーは反射神経があるしゲーム感覚で乗ってしまうから、すぐに速くなりますね。ベテランはサーキットでのドライビング、スピード感覚に身体を慣らすのに有効です。ドライバーのアンチエイジングにもなります(笑)。余計なことを考えずドライブに集中、冷静でいられるから、自分の癖がよくわかります。」 スーパーGTでランボルギーニの88号車を駆る現役プロドライバーである織戸さん自身も、シミュレーターでトレーニングを重ねることで常に変化や進化が実感できるのだとか。 今回走ったのは筑波サーキット・コース2000。 マシンはナチュラルで乗りやすいというホンダのFRスポーツカー、S2000。 僕の経験とスキルを聞いて織戸さんが薦めてくれたのだ。 走り出して数週は車両感覚がわからず、ブレーキやハンドルの操作もチグハグで、スピン、コースアウトの連続。かなり情けなかった。 しかしコツがわかってくると楽しくなり、夢中で走っている自分がいた。 慣れてきた頃、織戸さんが僕の横に座った。コースどりから、ブレーキ、シフトダウン、ハンドリング、スロットルやシフトアップのポイントを的確に指示してくれるのだが、なかなかその通りにできないのがもどかしい。 休憩をはさんで合計40ラップほどを走った僕に織戸さんは「何度か練習して、実際にサーキットを走って、を繰り返すと確実にうまくなります。これを機会にGAOさんも続けてみてください!」と言ってくれた。 目標は『リターンレーサー』だ!
間もなく完成するというMAX★ORIDO RACINGオリジナルのシミュレーター。基本的な使い勝手は、僕が今回試乗したマシンと同様だが、ハード/ソフトとも細部にわたるまでレーシングドライバー織戸学さんが、自ら開発・プロデュース。 これまでにない高性能なマシンに仕上がってきているそうだ。
MAX★ORIDO RACINGオリジナルのシミュレーターの足元には、アルミ削り出しの美しいペダルがセットされている。 よく見ると、そこにはホンモノのキャリパーが! 「ブレーキのフィーリングをリアルに再現するために、wilwood製の実車用のブレーキキャリパーとマスターを装着したのです。」と織戸さん。
レーシングシューズに履き替え、グローブも装着する。 ここ"130R YOKOHAMA"にはプロからアマチュアまで、シミュレーターでトレーニングするさまざまなプログラムが用意されている。 グローブやシューズのレンタルも可能だ。
「シミュレーターを使ったトレーニングは、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、ハンドリングなど、ドライビングに大切なリズムを身につけ、忘れないようにするのに最適だと考えています。」と語るMAX★ORIDOこと織戸さん。
photo: Kazumasa Yamaoka
text: Gao Nishikawa
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