スカイラインR30をレストアする。ユーティリタス池谷祐一のレストア考。

東京小金井にあるスカイラインR30とランドクルーザー60のスペシャルショップ、ユーティリタス。『クルマ好きが嵩じてクルマ屋になった、典型的なクルマバカ』を自認するいけが屋こと、代表の池谷祐一さんは、レストアにも独自のこだわりをもつ。一台のR30スカイラインのレストアを通して、その神髄に触れてみよう。

毎度!いけが屋です。これまで何台ものスカイラインとランドクルーザー60を、後世に残すべくレストアしてきました。この「レストア」ってやつが曲者で『ベース車のコンディション』『仕上げの工程』『作業のクオリティ』次第で甘くも辛くもなっちゃう。今回はこのレストアについて語ります!

今年の『ノスタルジック2デイズ』にご来場くださった読者にはご覧頂いた、最近仕上げたスカイライン2000GT−ESターボ。ユーティリタスの持てる知識と技術を全て投入して『レストア』仕上げした一台です。『レストア=re-store』は『元に戻す』『復元する』って事。色を塗り替えただけでレストアって言っちゃダメなわけです。すべてのパーツを新車の状態に戻す事を目標にクルマを仕上げるのが真の『レストア』ということ!「新車が納車される時以上の喜びをオーナーに感じてもらいたい!」というのが、我々レストア施工者の思いです。日本で『レストア』って聞くと「サビでボロボロの車体をコツコツ仕上げ」というイメージでしょうが、一番肝になるのがベース車選び。コンディションの良い車をベースに選べば、その仕上がりのクオリティは必ず良くなりますね。綺麗に仕上げたボディに装着する一つ一つのパーツは新品に交換したり、新車のように仕上げる。オーバーホールすべきメカニカルな部分も、きっちり施工する。走る、曲がる、止まる、そして魅せる、の全てを兼ね備えてこそ、真の『レストア』と言えましょう。

上の画像をご覧下さい。ベースはワンオーナー・ガレージ保管のR30。塗装はヤレていたのでレストア施工と決定!作業にあたっては、各部のパーツを脱着し、ボディのサビた部分や劣化した部分を修理し現代の技術で塗装します。この下地作業の手間が仕上がりクオリティの肝となるんですよ!

R30のエンジンは名機L20ターボです。せっかく下ろしたのでフルオーバーホールして搭載!エンジン本体はもちろん、消耗品は交換、補機類も全てオーバーホール施工します。結晶塗装やクロメート加工など抜かりなし!

ブレーキや電装品のオーバーホール、足廻り新品交換などなど、機能部品全てに手を掛けます。マフラー、ブッシュ類など消耗品も全て新品交換。入手困難なパーツは磨いて、塗装して組み込みます。地道な作業一つ一つの積み重ねが『レストア』のクオリティの差として現れます。

一旦ホワイトボディ状態にしたボディ単体や、フェンダー、フードなど、各パーツの塗装仕上げを終え、ガラスやモールなどを仮組みした状態が上段の写真。この段階で塗装面にピンホールやダストがあってはなりません。下地仕上げから材料・塗料のクオリティにまでこだわり、手抜きは一切ナシ。タイヤハウスやエンジンルームまで艶々のボディがたまりません。

下段は、丹精込めて仕上げた一つ一つのパーツを全て組み込んだ、『レストア』済み『ユーティリタス・クオリティ』のR30スカイライン。ポール・ニューマンと一緒に写っていたカタログ写真から抜け出してきたかのよう!

ボディ各部のデカールやストライプも、当時の姿を再現するための大切な要素。純正品を細部まで検証してリプロダクション、丁寧に貼付けています。80年代以降の方がそれ以前より『レストア』が困難なのは、プラスチックパーツが多用されるようになったから。使用と経年変化で劣化、新品の入手も困難なのです。エキゾーストノートも重要なファクター。製造終了済みの純正マフラーは、何とか入手した純正新品に交換しました。純正部品が貴重なものとなりつつあります。プラスチック同様、時の経過とともに劣化してしまう内装素材。入手困難なパーツも多く、ベース車のコンディションが問われる部分。張替えや流用で対応する場合もあります。

実はこの車両、新オーナー募集中です。手間ひまを惜しまない地道な作業一つ一つの積み重ねが、『レストア』のクオリティの差として現れます。ゆえに新車より高額なプライスがついてしまうことになります。この思いに共感いただける方に、喜んで頂ける一台を、ユーティリタスは丹誠込めて仕上げているのです。

池谷祐一(ユーティリタスいけが屋):クルマ好きな顧客の要望に合わせ、スカイラインR30やランドクルーザー60をはじめ、各種マニアックなクルマを取り扱うユーティリタス代表。

ユーティリタス:東京都小金井市貫井南町1-5-22042-384-7700http://www.utilitas.co.jp

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