アーリーブロンコ。フォード製SUVの元祖が棲む牧場『ブロンコランチ』

196677年、フォードが生産・販売したアーリーブロンコ。設計当時参考にしたであろうジープにも通じるボクシーなシルエットが、潔くもカッコいい。そんなアーリーブロンコに出会える場所が、東京・世田谷にある。

 いかにも「スチールをプレスして作りました!」というスクエア&シンプル、かつコンパクトなボディ。この魅力的なクルマを扱う世田谷のアーリーブロンコ専門店『ブロンコ・ランチ』に、店長の神津晴寿さんを訪ねた。

<写真上>上の70年式のインテリア。コラムの3MTにホーンリング付きの大きなステアリング、スチール剥き出しのダッシュパネルというクラシックな佇まい。


 「元々『ガレージ弦巻』としてスタートし、約3年前にショールームとしてブロンコランチをオープン、ガレージ弦巻はブロンコはもちろん、GM系やトヨタなどヴィンテージ4x4車両の取り扱い及びメンテナンスガレージとして営業しています。」というのが同店のプロフィール。上の写真は、アメリカから届いたばかり、キャラメルブロンズの70年式ブロンコ・スポーツ。ボディとインテリアはアメリカで仕上げて輸入・通関、エンジン、足回りなどをメンテナンスするためにガレージ弦巻に入庫したところだ。302キュービックインチのV8を搭載、オプションのサブタンクやリアシートを備える非常にコンディションのいい一台だ。

<写真上>リアドアは上下開き。作りはピックアップトラックそのもの。リアシートは2名乗車。

「本国ではオフロードをリアルに楽しむファンの手で大掛かりにカスタムされている車両が多い。ストックを見つけるのが大変なのです。例えばリアのホイールアーチがタイヤにかぶる『アンカットフェンダー』も希少になっています。」と神津さん。

<写真上>ボクシーな後ろ姿も魅力的。スチール製のルーフ、リアとリアクォーターのウインドウ&フレームはボルト止めで脱着が可能。

 ちなみにブロンコは『野生馬』に由来、アーリーブロンコは『初期型ブロンコ』を意味する通称だ。まだSUVという言葉が生まれるより以前の、アメリカ大陸生まれの野生馬。都会の片隅の小さな牧場に彼らを訪ね、その魅力に触れてみてはいかがだろうか。

photo&text: Gao Nishikawa

2台の車両とアメリカ直輸入のミニカーを展示販売する『ブロンコランチ』。メンテナンスを担う『ガレージ弦巻』はここから徒歩1分。

「ブロンコをセカンドカーとして購入するも、気に入って通勤のアシに使われているお客様もいらっしゃいます。」と話すのは、店長の神津晴寿さん。四駆雑誌編集部を経て現職。73ブロンコと86シェビーK10を所有する生粋のアメリカン4x4フリークだ。

取材協力:ブロンコランチ(世田谷区世田谷1-47-2/03-6413-1531/http://bronco-ranch.com

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